正山小種-中国・武夷山

まだヨーロッパでお茶を作れなかった頃、イギリスが必死に輸入してた紅茶の元になったのが、武夷山という場所で作られた正山小種。フルーツの龍眼(ロンガン)の香りがするというこのお茶を作ろうとして、ラプサンスーチョン(スモーキーな方)やアールグレイが生まれたという、お茶の歴史のなかでも重要なお茶です。

ちなみに、なぜ(スモーキーな方)と注釈してるかというと、正山小種を英語読みするとラプサンスーチョンとなるので、武夷山の正山小種もラプサンスーチョンと言うし、全く味の違うスモーキーな味のものもラプサンスーチョンと言うし、武夷山でもスモーキーなものを作ってるしで、ラプサンスーチョンの事を話すときは、スモーキーかそうじゃないかを言わないと混乱するという、ちょっと面倒なことになっている感じです。

それでこの武夷山の正山小種、ちゃんとしたものが買えた例しがなく、見かけて何回か買っても味が煙たく、龍眼の香りもどこへやら…。でも最近、ちゃんとしたものが買えるというお店を知ったので早速挑戦してみました。中国のお茶ですが、淹れ方は紅茶のやり方です。

なるほど、これは美味い! 龍眼は食べたことないけど、確かにさっぱりとした甘い香りがして華やか。そして何よりも、本当に煙たくない…。今まで飲んだものとはまったく違います。今飲んでもとても美味しいので、お茶を知らない(苦い緑茶しか知らなかった)英国人が、初めてこれを飲んで夢中になったのも理解できます。


なぜこの華やかな香りのお茶からラプサンスーチョンという煙たいお茶が生み出されたのかという経緯もまた面白いのですが、ここでは割愛。ちなみに、私が紅茶にはまったきっかけがトワイニングスのラプサンスーチョンで、日本では手に入りづらいですが非常に美味しいです。ロンドンでは普通にスーパーに売っているくらい一般的な茶葉となっています。難しいだろうけど、日本でも手軽に手に入るようになるといいなぁ。

今回の正山小種は、もう少し飲み進めたら追記します。

ここでサポートして頂けましたもの、すべてはお茶に変わります。