【書き起こし・後編】 国会パブリックビューイング 「緊急ライブ配信 検察庁人事への内閣介入問題」ゲスト解説:山添拓参議院議員(日本共産党)/進行:上西充子(国会パブリックビューイング代表)(2020年3月22日)

※ トークの中で言及しているスライドは、下記の映像からご確認ください。
https://www.youtube.com/watch?v=p147niwR7mQ&feature=youtu.be
※ 私(上西)が用意したスライドについては、下記からの連続ツイートでもご確認いただけます。
https://twitter.com/mu0283/status/1241294233568309249

※書き起こし前編はこちら

<昨年の段階での検察庁法改定案>

●上西充子 まだここから、後半、また複雑な話になりますけれども、ここまでが黒川さんの人事の話で、黒川さんにとどまらず、内閣が検察の人事に介入をするための、介入ができるための法改正をしようとしているというので、検察庁法の改正ですね、じゃあ、これ行きましょうか。私のほうの6枚目。
今年の3月13日に閣議決定をされて、国家公務員法の改正と検察庁法の改正が国会に出されたと。で、これが国会に出される直前に、いろいろ変えられたっていうことが今、追及をされているわけですよね。
まず、国家公務員法の方は、しばらく前からちゃんと、順当に準備されてきた法改正なわけですよね。で、検察庁法の方もそれに合わせて、当初はこういう改正案だったというのを、このスライドに合わせて説明いただけますか。

●山添拓 国家公務員法の定年の引き上げを中心とする法改正が準備をされてきたと。これは一昨年ですね、2018年に人事院がそういう意見を出して、それに即して改正が準備されてきた。
その中では、まず国家公務員について、現在の60歳の定年を、徐々にですが65歳まで引き上げていくと。65歳までやれるようにするわけですが、それで年齢の高い人で人数が増えてしまうと、人件費がかさむと。
そこで60歳以降は給料を7割にカットするという仕組みが入っているんですね。それによって総人件費としては削減も達成できるだろうと。しかし人手不足もあるので、とにかく使い続けるのは使い続けたいというようなものです。
ですから、役職定年制というのがここに書かれていますが、管理職、管理監督の立場にある管理職については、60歳以降もやっているとその分給料が高くなっちゃうので、やめてもらいますと。定年は65歳で65まで働けますけれども……。

●上西 その役職はやめてもらうと。

●山添 役職はやめてもらうという定年制が設けられることになったわけです。
ただしその延長の特例は設けたと。これはいろいろ事情があるんですけど、あとから出てくると思いますが、役職はやめると。やめるのが原則。だけれども、その特例もあるというのが、国家公務員一般の改正の中身でした。

●上西 これまでは60歳だったんだけれども、60歳の定年が65歳に延びていくので、初めてそこに役職定年制の導入ということと、それから、役職定年なんだけど、役職を続けてもらうための特例というのも合わせて出てきたと。
で、それとの関係で、じゃあ検察庁法がどうなるかという話ですね。

●山添 検察官はどうなのかと。検察官はもともと、63、65ということで、ちょっと高いわけですね。年齢が。

●上西 検察総長だけが65で、他の人が63と。

●山添 はい。で、今度、他の人も含めて65歳にしようということになりました。検察官全体を65歳定年退官。

●上西 検事長だった人とかもね。

●山添 そうですね。こういう内容になってですね。この段階では、これだけだったわけです。

●上西 昨年の段階ね。

●山添 そうですね。

●上西 昨年、改正案が検討されていた段階では、検事長は63歳までそのポジションにとどまれるけれども、勤務は65歳までできるけれども、ただそこで、ヒラの検事になる。

●山添拓 そうですね。

●上西 ポジションを外れて。

●山添 ですから、全体が65歳になると。それと、国家公務員の役職定年制と同じように、63歳を過ぎたら、降りてもらって……。

●上西 検事長だった人も、降りてもらうと。

●山添 ただの検事になるということで。図にあるように。

●上西 で、これは、特例はなかった。

●山添 特例なしです。それがあの、これも出していただいて。

●上西 いろいろね、画面を変えるのを一人で真壁さん、頑張っています。

●山添 すごいでしょ、一人で。それもすごいですね。

●上西 これが昨年の段階での法改正案ですね。

●山添 改正案です。改正案の中身は、22条の、もともとは1項だけなんですね。今の条文は1項だけなんですが、それが1項、2項に分かれると。で、65歳で退官するという中身と、63歳で役は降りてもらいますよという中身ですね。
これだけならまあ、非常にシンプルだったわけです。これは、去年までのものということです。

<検察庁法改定案の複雑な変更により、検察官も勤務延長が可能に>

●上西 はい。で、どうしましょうか。

●山添 どうしまようか。このあとがややこしい。

●上西 ここからがややこしいんだよな。じゃあ、これいきましょう。これこれ。

●山添 あ、ちょっと待ってください。もう、この次、いきましょう。このまま。
 これが新しいものですね。で、次のページ、見てください。もう、こんだけの条文になっちゃったわけです。

●上西 さっきの、短い改正案が……。

●山添 2枚、戻ってください。これがですね、この次の、この2枚分になったと。

●上西 2枚分、だーっと。

●山添 2枚分、だーっとなったと。これはもう、ほとんど読めないので、無視していただいていいんですが。

●上西 で、こんなふうになったのは、検事長も勤務延長ができるようにするためだと。

●山添 はい。これ、見てもらった方が……。

●上西 で、それは黒川さんの、実態として勤務延長をしたというのと合わせるような法改正だったということですね。

●山添 動画で見ていただいて。

●上西 動画でみてもらいましょうか。動画の2番ですかね。じゃあ、お願いします。

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<2020年3月16日参議院予算委員会:山添拓議員 vs 近藤正春内閣法制局長官・安倍晋三内閣総理大臣・森まさこ法務大臣>

●山添拓議員 先週の金曜日、13日ですが、国家公務員法と検察庁法の改定案が閣議決定されました。国家公務員の定年を段階的に65歳に引き上げる。検察官も同様だと報道されております。
 しかし、それだけではありません。検察官の勤務延長、引き続き検事長が引き続き検事長をできるようにするような規定まで盛り込まれております。黒川氏のような検事長が63歳に達した後も、引き続き検事長を続けられるようにする規定があると。
 パネルを御覧ください。これもう小さい字ですのでほとんど読めないかと思いますけれども。
 元々法務省が作成していた検察庁法22条の改定案というのは、上にあります2項を追加するというだけだったんですね。ところが、先週提出された改定案は、2項から8項までだあっと追加されました。膨大な条文になりました。
 法制局に確認します。
 22条の条文は、案文は、今年1月、法務省が解釈変更すると言い出した後で差し替えられたものですね。

●近藤正春内閣法制局長官 お答えいたします。
 今お示しの資料における、下にございます1月17日の22条が非常に多い条文になったものは、あくまでも1月のその解釈変更の後ということでございます。

●山添拓議員 これは、法務省で法案を作成した方も、あるいは法制局の方も、法案提出直前のこれだけの変更に大変な苦労をされたと思うんです。無理な解釈変更のためにこんないびつな条文案となったんですね。
 しかも、その際、驚くべき変更が加えられました。パネルを御覧いただきますが、63歳以上は、検事長や検事正、要職には就けない、こういう条文案だったわけですが、ところが、5項ですね、内閣の定める事由があると認めるときにはそのポストにとどまれる、さらに6項、内閣の定めるところにより再延長や再々延長も可能だとされています。これでは、検事長などの人事は官邸が握るのだと公言しているようなものですよ。
 総理、内閣の定めるというのは何ですか。今後は総理の一存で検事長などの任期を延長していけるということですか。

●安倍晋三内閣総理大臣 今回の人事におきましては、まさに、法務省、検察庁の人事をつかさどる検察庁によって適切に判断をされたところでございます。
 この法案につきましても、まさにこの法務省において議論を行い、そしてそれをまさに閣議で決定していくということになっているところでございまして、これはまさに、いずれにいたしましても、判断は適正になされていくところであります。

●山添拓議員 いやいや、答弁になっていないです。法案の中に、内閣の定めるところにより、検事長を引き続き任命していく、引き続きその職務を行わせることができる、再延長も再々延長もできる、こういうふうになっているわけです。
 内閣の判断で、総理の責任の下で、検事長に、特定の検事長にその職務に引き続きとどまらせる、こういう仕組みにするということですか。

●森まさこ法務大臣 担当大臣からお答えさせていただきますけれども、この法務大臣の定める準則、内閣の定めの具体的な、この二つの内容についてでございますけれども、現時点では、勤務延長の再延長の要件について、より慎重に判断するものとするため、判断の手続や判断に際し考慮すべき事項などについてこちらで定めることを検討しております。
 いずれにせよ、今後、国会での御審議を踏まえ、内容や具体的な形式について検討を進めてまいりたいと思います。

●山添拓議員 これから検討だとおっしゃって、つまり何にも決まっていないと。
 内閣の定め次第によっては、どういう人を引き続き検事長をさせるか、こういう判断できるということに法律上なっているわけですね、法案上なっている。
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<「内閣の定める事由があると認めるときは」「内閣の定めるところにより」勤務延長を可能に>

●上西 はい、今、審議を見ていただきましたけれども、安倍総理がね、答弁書をぱらぱらと、「どこ答えたらいいのかな」みたいにめくっていて、で、最初、法改正の話を聞いているのに、黒川さんの人事のことを答えていて、その後で、「あ、違ったかなぁ」みたいな感じで、今度、法改正の話を答えるんだけれども、いま聞いていて、笑っちゃいましたけれど、「これはまさに、いずれにいたしましても」って、「まさに」なのに「いずれにいたしましても」と、何も答える内容が頭に入ってない感じで、で、「判断は適正になされていく」というふうな。

●山添 あれはチェックポイントですね。「いずれにいたしましても」。

●上西 「いずれにいたしましても」はね。「話は聞かないぞ」と。

●山添 答えられない時のキーワードですので。まあ出てきたなという感じでしたけれども。
最後に森大臣が答えているんですけども、「内閣の定める事由」とか「内閣の定めるところにより」というのは、これから内容や具体的な形式について検討を進めていくということになっているんですね。だけれど、もう法案を出しているわけですよ。

●上西 そうですよね。

●山添 法案を出しているのに、その定め方については何も決まってないと。
確かに、規則に委任するとか政令にするとか、こういう条文、時々ありますので、政令の定めによりとか、ありますね。

●上西 でも、大事なポイントですもんね。

●山添 それは後から、そういう場合は後から決めるって事はあります。
けどもしかし、内閣の定めるところによりっていうのは、かつてない定め方ですよ。

●上西 ああ、そうなんですね。

●山添 それを説明できないと。内容も形式も、と言っていますから、要するに何も決まってないということに……。

●上西 もう内閣が勝手にできちゃうみたいと。

●山添 そう言われても仕方のない条文ですよね。ということがわかってしまったという感じだと思います。

<検察庁法改正案の修正によって可能となること>

●上西 なるほど。で、じゃあこれを出していただこうと思うんですけれども、これですね。先ほどのシンプルなものが、複雑な条文になってどう変わったかという話で。
このオレンジの人ですね。オレンジの人に、本来は昨年の段階では、63歳になったら検事長だった人もヒラの検事に戻って、65歳まで勤めてくださいねという話だったのが、だーっと長い条文になって、63歳になった後にも特例? 勤務延長? 「内閣が定める事由」があると認めるときにはそのまま検事長を、1年を超えない範囲で続けられますよと。
で、さらにそれが、「内閣の定めるところにより」、また再延長もできますよという形で、それをこう延長を続けると、65歳までずっと検事長をできちゃうと。

●山添 えっとですね。66歳までかな。

●上西 66歳までですか。

●山添 えっとですね……。

●上西 再延長と再々延長……。

●山添 再々延長がありますので……。

●上西 66歳までできちゃうのか。

●山添 66歳までできます。検事総長の場合は65が定年退官ですので、延長、再延長、再々延長で、68歳までできるという条文になっていると思いますね。

●上西 なるほど。で、その延長の判断が「内閣が定める事由」がある、「内閣の定めるところにより」というので、いったいどういう判断になるのかがわからない。で、どういう判断理由になるのか分からないもので、自分が「検事長に留まれるかなー、どうかなー」みたいなことになると、非常にこう、忖度が働くような人事になっちゃうんじゃないかと。

●山添 特に今度の、林さんや黒川さんもそうですけども、検事長、検事総長になる。検事長から検事総長になるような方っていうのは、だいたいが定年退官間近でなっていくわけですよね。それだけ検察のトップに立つわけですから。
ということは、その63歳時点での延長があるかないかっていうのが、もう事実上、次の検事総長を決める、決め手になっていくと思うんですよ。60とか61とかでなっていくわけじゃないですので。

●上西 なるほど。勤務延長があったら、そこから検事総長への芽が出てくる。

●山添 そういうことですよね。

●上西 あるいは、芽が絶たれる。

●山添 芽が絶たれる。勤務延長してもらえないことによって、芽が絶たれたり、延長されたということは「可能性があるんだな」ということになったり。
ですから、今はたまたま、誕生日がどっちが先かどっちが後かということで、可能性があったりなかったりという話になっていますけども、誕生日がどっちであろうが、内閣が決めた人は延長する、そうでない人は延長しない、これによってもう、自動的に……。

●上西 覚えがめでたいかどうか、みたいな。

●山添 ということになっちゃいますよね。そういう具合に介入できると。生かすも殺すも、っていう感じで。

●上西 そうか。そうすると、そういう人たちが国を訴えるようなものとか、内閣総理大臣を訴えるようなものとかは、こう、ね……。

●山添 そういう捜査が・……。

●上西 「そういうことには関わらないで、順当にポジションを登っていこう」みたいな形に……。

●山添 まあ逆に、自分の担当している、例えば高検の、高等検察庁の管内で、そういう疑惑に関わるような事件が起こったときに、「これをもみ消す事で自分の出世につながるかもしれない」、こう考える人が出てきても不思議じゃないですよね。ですから、それは露骨に・・・・・・。

<内閣の関与と検察官の忖度>

●上西 今回の森友でもね、大阪で、大阪地検特捜部ですか、かなりこう、いろいろ調べていたけれども、結局起訴しなかったと。

●山添 ええ。それは、具体的な直接的な指示があろうとなかろうとですね、そういう事件の采配、起訴をするかしないか、事件をどう進めるかということに、余計な考慮が働く、働きかねないと。
それを可能にする、しかもそこに内閣の関与が法文上明記されるというのは、やっぱりこれは、恐ろしい話だと思うんですよね。

●上西 そう。だから官僚が政権のいいなりにならざるを得ない背景に、内閣人事局の存在があるということが、ずっと言われてきているんだけれども、それと同じような、検事への支配・介入みたいなことができる仕組みをつくってしまうような法改正ですよね。

●山添 そうですよね。「内閣が定める事由」、まあ、内容や形式がまだこれから検討と大臣は言っていましたけど、私は法務省の役人から、「これ、じゃあどうするの」っていうのを聞いたんですよ。
そしたらですね、「いや、内閣の意思決定というのはいろいろな方式がありまして」と言って、「例えば閣議決定とか、閣議了解とか」っていうことを言うんですね。
だから、閣議決定で決めるとかいうことも想定しているっていうわけですよ。そうなるともう、何のルールもなくですね、要するに、その時々に、この人は……。

●上西 この人は引っ張り上げよう、この人はダメ、みたいな。

●山添 というのが可能になっちゃいますよね。そのことはやっぱり、さすがにおかしい。おかしいでしょと思うんですけどね。そういう条文を盛り込んできた。

●上西 で、それが、これから国会審議されようとしているんだけれども、そういうことは政治的な、恣意的に、政治的に人事に介入するってことはダメじゃないかという質疑を見ていただきます。
これも先ほどの続きで、3月16日の参議院予算委員会ですね。

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<2020年3月16日参議院予算委員会;山添拓議員 vs 安倍晋三内閣総理大臣>

●山添拓議員 森友、加計、桜を見る会、カジノ汚職や大臣の選挙違反、安倍政権の数々の疑惑が、疑惑において刑事責任が問われています。総理のお友達だけではなく、総理自身が刑事告発されている事件もあります。その総理が、自らを捜査し起訴するかもしれないという検察、検事総長、次長検事、検事長、検察上層部の人事に内閣として露骨に介入しようとするものであります。
 総理、こういう法案を出すということ自体が、こういう仕組みをつくっていくということ自体が疑惑隠しだと疑念を持たれかねない、そうお思いになりませんか。

●安倍晋三内閣総理大臣 それは全くそうは思いません。
 これは、まさに、今この法案につきましては、先ほど森大臣から答弁をさせていただいたところでございますが、いずれにいたしましても、この法務省において人事においては適切に判断をしていくことでございますから、政権において、この検察の人事に何か政治的な意図を持って介入するということは、これはあり得ないことでございます。

●山添拓議員 だったらやめた方がいいと、今、声もありました。
 今はそういう仕組みに一応なっていないわけですよ。検察が上げてきた人事を閣議決定で決める、こういう仕組みにはなっていますが、この法案は露骨に、内閣の定めるところにより、内閣の定めるところにより、検事長を引き続きその仕事をさせるかどうか、こういう法案になっているわけですよ。これで本当によいとお考えですか。

●安倍晋三内閣総理大臣 いずれにいたしましても、法務省において適切にしっかりと議論をして決定をしていく、本案について決定をしていくということになった、なるわけでございますが、まだこれは、この法案についてこれは提出をしていないというふうに、あっ、提出、提出したんだっけ……提出をしたということでございますが、いずれにいたしましても、しっかりと御審議をいただきたいと、このように思っているところでございますが。
 いずれにいたしましても、恣意的に政治的に人事に介入することは絶対にこれはないということは明言させていただきたいと、このように思います。

●山添拓議員 この検察庁法の改定案は、検察まで私物化するものです。撤回すべきであります。
 森大臣は、検察官も国家公務員だから問題ないのだ、同じような規定で構わないんだ、こう繰り返し答弁をされてきました。それ自体が私はにわかに信じ難い思いです。今、法律家団体や有志の弁護士が違法な検事長の勤務延長に反対する声を相次いで上げています。これは、検察官の独立を脅かす動きに多くの法律家が危惧を覚えているからであります。

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<内閣が判断するという条文の追加>

●上西 はい。検察上層部の人事に内閣として露骨に介入しようとするものだというふうな指摘に対して、「それは、全くそうは思いません」というような否定をされていたわけなんですけれども。
ただ安倍首相も、この法案、提出しているのか、していないのか、「まだ提出をしていない、あ、したんだっけ」、みたいな。

●山添 あれ、びっくりしましたよね。

●上西 ねえ。そういう状況で、「いやいや、こんな、人事に介入なんか、絶対ないです」と言われても。ないんだったらそういう仕組みを作るなって話ですよね。

●山添 この法案が出てくるときに、一旦、自民党の中で了解を見送るっていうことがありましたね。

●上西 ありましたね。

●山添 それでも了承してきたので、そうかと思っていたんですが、しかその段階ではですね、定年の引き上げはやるだろうと。そして勤務延長は、今回やれることにしたので、当然やれる仕組みをそのまま前提にするんだろうと。ここまでは予想できたんですが、こういう法案になっているとは思わなかったですね。

●上西 「内閣の定めるところに」と。

●山添 内閣が判断するって言うことを書き込んできているとは、思っていなかったです。

●上西 自民党で了承がされて初めて法案としてあがってくるから、野党としては中身がわからないんですね。その段階ではね。

●山添 わかったのが、ですから13日の夕方ですね。

●上西 3月13日。

●山添 3月13日の朝に、閣議決定をされて、法案が提出されることになって、実際、国会に来るのは夕方なので、夕方の段階で出てきたわけです。
それから私たち、読んで、法務省にも来てもらって、説明を受けて。で、このあいだの16日の質問というのは月曜日なので、13日のうちに通告をしておかなくちゃいけないんですよね。
ですから私ども、法案について聞かなくちゃいけないから、「資料が出てこないと通告もできないよ」ということでお伝えをし、ちょっと早めに持ってきてもらって、分析をして通告をしたということなんですね。

<検察行政に勤務延長の必要性はあるのか>

●上西 なるほど。これ、じゃ行きますか。

●山添 いろいろ、ご質問やご意見もいただいていますが。

●上西 質問にも答えていただきつつ。

●山添 そういう意味で、検察庁法の改定案の問題点、いくつかありますけども、今の時点で言えるのは、先ほど来、国会でも指摘してきたところですけども、検察の最上層部ですね、そこに内閣が関与できると。介入できるということになっていると。
で、その公務の運営に著しい支障が生じる場合に「内閣の定めるところにより」と。こういう条文になっているわけですけれども、この人でなければ支障が生じるっていうのは、本当にあり得るのかと。検察行政の場合に、ですね。
特定の事件を扱っている人じゃないですので。指揮監督ですよ。黒川さんもそうですけど。指揮監督をやるような場合に、「この人でないとダメだ」ということがあり得るのかという必要性の問題がありますし、「内閣が定める事由」「内閣の定めにより」、基準はないに等しい。法律の条文上の問題も当然あると思います。
しかも、これは後からちょっと別の質疑の紹介で出てきますが、少なくとも法務省は去年の10月までは、こういう仕組みはいらないと言っていたんですね。いらないと言っていたものを入れ込んで、国会に出してきたと、もう理由がつかない、ということが問題としてあると思います。これ、またちょっと後で出したいと思います。

<質問(1):黒川氏の違法な勤務延長は取り消すことはできないのか>

●上西 どうしましょう。次の質疑を見ていていただくか、質問に答えていただくか。

●山添 出されている質問に少しお答えできればと思いますけれども、何がいいですか。いっぱいお寄せいただいていますが。

●上西 黒川さんのこの勤務延長は違法だから、これは取り消すようなことはできないのかっていう話もありましたよね。

●山添 裁判上できるかっていう趣旨なのかなと思うんですけど。法的に、これ違法なんだから、辞めさせることができないのかと。
これはですね、しかし裁判でやるからには、誰かの権利が侵されたという、自分のこの権利が侵害されたからこれは違法なんだっていうことでないと、裁判できないというのが今の司法のあり方。基本的には。

●上西 法律にそぐわないでしょ、というだけではダメ。

●山添 法律に反するというだけではダメだと。法律に反するから何が起こったのかという主張が必要なので。
例えば黒川東京高検検事長の下で、捜査がやられて、捕まって逮捕され起訴されて、違法な検事長のもとでの捜査なんて違法だと。こういうことで闘うというのはありうるかも知れませんけれども。

●上西 そういう当事者じゃないと。

●山添 なかなかそれだけで、この人は違法だっていうのを、裁判上、訴えるというのは、もちろん、いろいろ工夫はできるかもしれませんが、直接的にこう、裁判で辞めさせるっていうものがあるかというと、なかなか難しいところがありますね。

●上西 なるほど。

●山添 やっぱりこれは、裁判で闘って司法でやらせるというよりは、世論で包囲する問題なんだと思うんですね。で、黒川さん、今のところ検事長ですから、本当は検事総長をやらせたいと思っているわけですよね。

●上西 安倍政権としてはね。

●山添 で、今年の夏以降でしょうか。本当にそのまま検事総長、やりますかっていうような。

●上西 そうね。だからこの稲田さんが退任されて、黒川さんは検事総長に本当になるのかっていうので、また、そこに向けての世論ですよね。

●山添 それ本当にそのままやりますか。だって今ですね、検察官の中にも「こういう人事はやめるべきだ」と。「国民から疑念を持たれている」という声が、検察官から出てくるぐらいの状況ですので。その検察官のトップに立とうとしているわけですよね。

●上西 そうですよね。

●山添 要するに、部下と言いますか、検察組織の中で信頼されない、あるいは疑念を持たれている人が検察行政をまとめていけるのかということが問われると思うんですよね。

<山添議員の質疑に対するツイッターの反応>

●上西 で、その世論を作る上で、国会でこんな審議がされているっていうのも大事だし、その国会で審議されているのが今ひとつわからなかったので、今日は一生懸命読み解いて……。

●山添 いやあ、もう本当に大変な作業していただきまして、ありがとうございます。

●上西 いやいや、このパワーポイントを見て、初めてようやく、いろいろ理解できるようになりました。

●山添 そうですか。よく言われます。話をしている相手からも、話して、ようやく「そういうことか」とわかったというのが時々あります。
ただ、私が16日に総理に質問してですね、その後、結構、ツイッターなどで反応があったんですね。で、みんな怒っているというのがわかってですね、怒っているのがわかって嬉しかったというかですね。なんというか、難しいじゃないですか。めちゃくちゃややこしい話ですし、私自身も頭の整理がつくのが大変な問題で。
私は役所から説明を聞いている訳ですけど、聞いていてもなかなか理解しにくい。だんだんこう、質問をつくったり、いろんな質問についてのアドバイスを受けたりする中で、整理されてきたんですけれども、そういう問題であるにもかかわらず、結構みんなが怒っていて、声をあげているっていうのは、大事なことだと思うんですよ。
国会審議をこう、きちんと見ると。見て怒りの声をあげるっていう意味で大事だなと思います。

●上西 じゃあ質疑を見ていただいていいですかね。その3月16日。これまでずっと見ていただいているのは3月16日なんですけれども、その3月16日の予算委員会の質疑の最後の部分ですね。
三権分立との関係で、改めて問題を問うて、それに対して安倍総理がどう答えたかたという場面を見ていただきます。

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<2020年3月16日参議院予算委員会:山添拓議員 vs 安倍晋三内閣総理大臣・森まさこ法務大臣>

●山添拓議員 総理に伺います。
 三権分立を定めた日本国憲法の下で、裁判官や検察官の地位は戦前から大きく変わっています。そのこと、総理はどう認識されていますか。

●安倍晋三内閣総理大臣 まさに司法と立法府と行政府、この三権分立の、分立の原則の下に、それぞれがそれぞれの独立性を尊重してきているということではないかと、こう思っております。

●山添拓議員 総理、そうであれば、今、これから法案を出して国会で審議しようとし、通過させようとしている検事長の、検察上層部の人事に内閣が口を出せる、内閣の判断で特定の検察官、特定の検事長を引き続きその職務を担わせることができるような、そういう仕組みはやっぱり考え直した方がいいんじゃないでしょうか。

●森まさこ法務大臣 まず、担当大臣から御答弁させていただきますが、司法権の独立の確保のため検察権の独立が要請されるものと承知しておりますが、他方で、検察権は行政権に属しております。検察庁法は、検察官が行政権に属することと検察権の独立性確保の要請との調和を図っておりますが、勤務延長それ自体は、その趣旨は、特定の職員にも定年後も引き続きその職務を担当させることが公務遂行上必要な場合に、定年制度の趣旨を損なわない範囲で定年を超えて勤務の延長を認めるというものであり、司法権行使の前提となる検察権行使に圧力を加えるものではなく、検察権の独立は害されないものであります。
 したがって、御指摘は当たらないものと考えております

●山添拓議員 総理、答弁されないですか。

●安倍晋三内閣総理大臣 この、今委員が挙げておられるこの文言等については、これ、本来であればこれは法制局長官から、なぜこれが入っているかということに……(発言する者あり)いや、なぜこれが入っているかということについて説明をさせていただいた方がいいんだろうと、こう思うところでございますが、特別にこれで大きく変わるということでは全くなくて、公務員法とですね、公務員法とこれ合わせた表現になっているのではないかと。これ、必要であれば、言わば、これ立法技術的に、技術的な形でこれが入っているだけのことでありまして、必要であれば法制局長官から、ですからこれ、非常に立法技術的にこれ入っているものでございますので、必要があれば法制局長官から答弁をさせたいと思います。

●山添拓議員 もう時間ですから結構ですが、全くその認識は誤っていると私は思います。
 検察、刑事司法への国民の信頼は既に損ねています。多くの国民から疑念が持たれ、検察官の中からも、これでは国民から疑念を持たれる、きちんと説明すべきだ、こういう声が上げられるような事態になっています。黒川氏の勤務延長も……

●金子原二郎委員長 時間が来ています。

●山添拓議員 検察庁法の改定案も撤回をすべきだと、このことを強く述べて、質問を終わります。

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<立法技術的な問題か>

●上西 今、必要があれば法制局長官から答弁させたいっていう……。

●山添 いや、あれはですね、何度か繰り返して言っているんですね、3回ぐらい繰り返して言っていましたけれども、あれ、ちょっとびっくりするような話で、法案を提出しているのは内閣ですし、所管しているのは法務省ですし、説明するのは政府の側なんですね。内閣法制局は法案を提出する側ではないですね。

●上西 内閣法制局は何をやる側なんですか。

●山添 提出する法案について、事前に確認をして、過去のいろんな解釈や、あるいは他の法律との齟齬がないか、間違っているところがないかということを確認をすると。ですから、憲法解釈について議論するときに内閣法制局の長官が出てくるとか、そういうことはありますけども、法案の中身を説明する立場にはないわけですよ。
それが、法制局に丸投げをして語らせようとしている。

●上西 単なる立法技術的な話に過ぎないから、と。

●山添 技術的な問題だと言いたいわけですね。
それは、安倍首相が言おうとしている「立法技術的な」というのは、一応、意味が、背景があってですね。国家公務員も、定年、役職定年の特例を入れることにしたじゃないですか。

●上西 国家公務員法改正でね。

●山添 普通の国家公務員ですね。それから検察官の中にも、上層部以外の、上層部とヒラの検事、その間ぐらいの人もいるんです。それも延長ができるわけです。特例的な、役降りの、その後の。つまり63歳以降も続けるという仕組みが入っているんですね。それぞれ仕組みを作った。
国家公務員については、人事院規則で定めるというふうになっているんですね。検事のその上層部とヒラの間ぐらいの人たちについては、法務大臣が定める準則というルールを作ってやるんだと言っているんですね。
人事院規則、準則ときて、では上層部は何なのか。検事長、検事総長は何なのかと。これはもう内閣がやるしかないんだ、なぜなら任命権者が内閣だからだという理屈で、だから技術的にそうなるんだと言っているんですけど。

●上西 なるほど。介入じゃないんだと。

●山添 ですけど、その実質的な意味は、内閣が決められるということになってしまうと。で、そのことに対する……。

●上西 なんら歯止めもないですよね。

●山添 そうですね。それが検察官の独立をどう脅かす可能性があるかということについては、全く認識が及んでないと思います。それはもう全然関係なく、単に技術的に、法律で整理するとそうなるんだっていうだけだと……。

●上西 全く指摘が当たらないって言うんだったら、こんな歯止めがありますよとか。

●山添 そうなんですよ。

●上西 こういう規定があるから、そんな勝手にはできませんよとかって言うんだったらいいけど、そういうふうに言わないで、技術的にっていうふうに何か言い逃れるっていうことは、やっぱり介入したいのかなっていう……。

●山添 で、この答弁をする時に後ろの役人、役人といいますか、秘書官ですね、総理の後ろに座っている秘書官に何度も振り向いて、「こういうことだよね」「こういうことだよね」というふうに確認してね、それで立法技術的なものだと繰り返し言っているんですよ。

●上西 安倍首相が。

●山添 ですからそれは、首相だけではなく秘書が含めた意思として、内閣の介入だというふうに言われたら困るので、こういう印象を付けようとしたっていうことじゃないかと思うんです。

<質問(2):「ご飯論法」への対処法>

●上西 なるほど。で、質問をいただいている中から、山添さんの質疑ってね、見ていても、あの、今回のは、ちょっと複雑だから、ついていけない部分が、ついていきにくい部分があるんですけれど。

●山添 すいません。

●上西 でも、説明された後で16日のを見ると、「あぁ、なるほどこういう話だったの」かと分かるんだけれども、政府側に論点を逸らされないように工夫していることはありますかと。「ご飯論法」をやる人が、やるのは悪いけど対策が必要で、 「ご飯論法」への対策、何かコツがありますかと。

●山添 「ご飯論法」は基本、されるものだと思っています。私が質問を考えるときも……。

●上西 論点ずらしの答弁が返ってくるのは、もう見越している、と。

●山添 当然するだろうと思っています。私が質問を作るときの質問の投げ方のパターンは、二つなんです。そんなこと、開陳するのもどうかと思うんですけれど、要するに……。

●上西 開陳。いや、秘伝、秘密じゃないかと。

●山添 いやいや、みんな、だいたいそうだと思うんですけど、答えのわかっている質問。こう聞けば、これについては、これで答えるしかないというような質問が一つです。それは例えば数字だとか、事実関係だとか。もう聞く前からわかっているけど、わかっていることを答えさせると。しかし、答えさせることによって、「そんなことになっているのか」っていうことが一般にはわかるっていうことが結構あると思うんですね。答えのわかっている質問は、普通はごまかさないですから。そのとおり答えてもらうと。
もう一つは、なんて答えても、答えにならない質問です。つまり説明にならない。これはもう、質問する前からわかっているんですけども、質問する時点で、「これを聞いたら答弁不能に陥る」と。答弁不能に陥ると答弁不能にはできないですから、ごまかして答弁してくるわけですよ。ごまかして答弁するということがわかっている質問です。

●上西 ごまかして……。その時に、ごまかされているっていうことが、山添さんにはわかる。第三者にはわかるんだろうか。

●山添 ですから、それはごまかしなので、パッと見、わからない時があると思うんです。
ですから、どんな答えが返ってきても、「それはこういうことだ」っていう、その「二の矢」を用意するっていうのは当然、必要だと思いますね。
だから、どんな答えが返ってきても、それは矛盾する答えですので、矛盾する答えと、さらに矛盾する事実を突きつけるとかですね、そういう、「こう返ってきたらこう返す、こうならこうだ」、あるいは答弁不能なら答弁不能ということをこっちで言う。それがないと、見ている人はわからないですよね。何を言っているかわからない。まあ、「何を言っているかわからない」と言っちゃうこともありますけれど。

●上西 もともと弁護士で、裁判をやっていらっしゃった。その時の経験ですかね、これは。

●山添 まあ、そういうのもあると思います。弁護士をやっていて、証人尋問、特に反対尋問ですね。敵性証人、自分の側ではない証人に対する尋問をどうするのかということに、そこに長けた人っていうのはたくさん先輩の弁護士でおられますけれど、それは私、学ばなくちゃいけないなと思う。
私は弁護士の経験、そんなに長いわけじゃないですので、身につけてきたわけじゃないですが、「こう聞いたらこう答えるだろう」っていうのはやっぱり、その論点について、相手より詳しくなるということだと思います。なんと答えてきても、「それはこの事を言っているんだな」「だったら、それはこうだよ」っていう事が返せるような準備は、しなくちゃいけないと思います。
できてないときも、もちろんありますけども、それでこそ、ごまかしをごまかしだという指摘ができる。

●上西 そうですよね。そうですよね。「これを聞いているのに、こういうふうにずらした」っていうふうに、ぱっとわかって次の質問ができるっていうところ、すごく、やっぱり、事前の知識と論理的な判断力みたいなのが問われる。

●山添 で、わからないこともあるんですけれどね。あとから会議録、議事録で読んで、「ああ、こういうことを言われていたのか」と。

●上西 ごまかされていたか、みたいな。

●山添 そういう時もあります。ありますけれども、でもやっぱり準備をどう、どこまでやるかに、かかっていると思います。ごまかされるか、ごまかされないのかというのは。
かつ、質問の通告をすると。文書で出したり、レクでやったりするんですが、その段階でこちらの問題意識というのは、役人の皆さん、わかっていますね。特にこういう、疑惑隠し、疑惑の問題、あるいは違法、不正、こういう問題の場合には、どこから突っ込まれても、答弁ラインというのを決めていますので、「これ以上のことは言わない」とか、「こう聞かれたらこう言う」とかという想定問答を、向こうも作っています。
だからまあ、事前にどういうふうに言うかという答弁ぶりを確認するとか、あるいは、こちらが聞こうと思っていることについてのいろんな資料を示してもらうとかですね、とにかく事前の準備をやっておくっていうことが大事なんじゃないかなと思っています。

<質問(3):「後刻、理事会で協議」、そのあとは?>

●上西 なるほど。で、そうやって事前の準備をしても、こうはぐらかされて、で、質疑の時間は決まってるじゃないですか、だから次にそれをつなげるために、こういう資料を出してくださいっていうような話をされますよね。
そうすると、「後刻、理事会で協議を致します」、いつもこう決まり文句で、「あの後、その理事会って民主的に運営されているんですか」と。「理事会でこう、与党に拒否されて、うやむやになるばかりで納得できません」っていう声があるんですけど。

●山添 場合によります。明確に存在している資料については、なかなか隠すことができないので、出してくるということがありますし、これ、与野党、特にその委員会での力関係にも左右されると思います。その委員会の中で一人の議員が求めるだけでなく、他の野党からもこれは出すべきだという話があったり、問題だという認識は共有されれば、否定できないということで、政府に求めるということはあります。
だから、うやむやにされることも結構あるんですね、特に森友の時は本当にうやむやにされてですね、求め続けても徹底して出さない。

●上西 あれはもう、「出すな」と決まっていたみたいですね。

●山添 例のごみの写真とかですね、徹底して出さなかったんですね。あんなもの、すぐ出せるはずのものなのに、出せばやばいということになったんでしょうけれど、それは、「ここで対応しないと、まずいな」というふうに、与党の側も含めて、なるかどうかということだと思います。
政府が資料を出してくるときは、まず与党に説明に行って、与党がOKを出したら、野党側にも示されて、理議会でも確認される、こういうことになっているんですけど、そういう手続きを順々にやっていくということは、これはやっています。やっていますが、全部出てくるわけではないです。
予算委員会の場合には、1月からずっとやっていますので、毎回、誰かが要求するじゃないですか。資料要求を。で、毎回、理事会協議事項になっていく。で、理事会協議事項のリストが今、3枚ぐらいなっています。消えているものもあります。

●上西 「今日の理事会で、これがはかられて、結局、認められませんでした」みたいなことは、各議員にはフィードバックされるんですか。

●山添 理事会では、あ、求めた議員にはフィードバックされています。求めた議員には行っていると思います。

●上西 だいたい却下?

●山添 そうでもないです。説明の資料を作って出してくるとか、あるいは、この間だと、例えばPCR検査の件数だとか、マスクの国の貯蔵状況だとか、そういうものは出してきますし、法務省の見解をまとめた文章なども出してきました。
この16日の質問をするにあたっては、先ほど言ったように、13日に法案が出てきたという話をしましたけれども、13日の時点で、法案の解説の資料も出してきたんですね。なので、結構いろんなことがわかって。

●上西 はい。それが次のものに、つながりますかね。

●山添 そうですね。そういうことです。

<昨年10月の時点で、法務省は検察官には勤務延長は必要ないと文書に書いていた>

●上西 長くなってきましたが、最後の質疑です。
ここまで見てきていただいたのが3月16日の参議院予算委員会で、その2日後ですね、3月18日の参議院法務委員会で、先ほどの検察庁法の改定案に勤務延長規定を追加したっていうのが、「いや、元々そんなもの追加するつもりなかったでしょ」ということを、指摘をした場面ですよね。
行っちゃっていいですか。何か、補足的に説明されてから。

●山添 もともと出していた検察庁法の改定案から修正をしたと。

●上西 昨年の段階で準備をされていたものから。

●山添 はい。それから黒川さんの一件があり、解釈変更することになり、そこで法案そのものを変えることになったと。

●上西 だーっと長いものにしたと。

●山添 はい。長いものになってたんですが、もともとその、長いものになったような、長いものにして認めていこうという勤務延長、63歳以降の特例というのは、必要ないんだということを、昨年の10月末までの文書で書いていたと。それが次のです。

●上西 はい。じゃあ、お願いします。最後の質疑です。

*******************

<2020年3月18日参議院法務委員会:山添拓議員 vs 森まさこ法務大臣>

●山添拓議員 更に大問題なのが、13日に閣議決定をされました検察庁法の改定案であります。
 この改定案は、検察官に勤務延長を適用するという規定は元々なかったんですね。元々なかったわけですが、それだけではないんです。それだけではなく、国家公務員のいわゆる役職定年制の規定、特例、役職定年制とその特例ですね、これも検察官への導入は予定されておりませんでした。
 役職定年制というのは、管理職について、60歳以降は管理監督者以外にするというものです。ただし、その特例があり、公務の遂行に著しい支障が生ずる場合には延長できると、60歳以降もできるというものになっています。
 検察官の場合には、最高検の次長検事や高検検事長、地検トップの検事正などですが、63歳になると、それ以降そのポストから外れる、普通の検事なることにされまして、特例は設けられない予定でありました。ところが、今年一月以降、この特例的な役職延長、すなわち63歳以降も検事長や検事正を続けさせることができるという条文が盛り込まれることになりました。
 なぜこんなことにしたんですか。そうしないと公務の遂行に支障が生ずる場合があると、こういうことですか。

●森まさこ法務大臣 委員御指摘のように、国家公務員法に役職定年制が新設をされるのに併せて、検察庁でも独自の制度、検察官役降り制度とでも申すべきものか、独自の制度がつくられました。
 検察官の定年引上げに関する法律案については、昨年10月末頃に内閣法制局第二部の審査が終了いたしまして、法律案の提出には至っておりませんでしたが、そこで、本年の通常国会への提出に向けて、その提出までに時間ができたので、その同法律案を改めて見直しながら検討作業を行いました。
 具体的には、定年年齢の引上げや、これに伴う諸制度について検察官への適用等を改めて検討する中で、特に勤務延長制度と再任用制度について検討を行ったわけでございますが、その際、検察官について勤務延長制度の適用があるのであれば、この役降り制度の特例も設ける必要があると考えられたわけでございます。
 すなわち、特定の職員の定年による退職により公務の運営に著しい支障が生ずる場合があるのであれば、役降りの制度についても同様に公務の運営に著しい支障が生ずる場合があると考えられることから、同制度についても特例を設ける必要があると考えられたものでございます。

●山添拓議員 たくさん御答弁いただいたんですが、要するに最後のところなんですね、63歳以降も検事長を続けさせなければ公務の遂行に支障を生ずる場合があると、こうおっしゃったわけです。
 しかし、従来法務省はどう考えていたのかと。一月に変更する前の条文案の概要を説明した文書が、これも予算委員会の理事会に提出をされております。
 法務省はこの中で、検察官については、役職定年制の特例、先ほど役降りの特例とおっしゃいましたが、つまり、63歳を超えても検事長を続けさせることができるような特例は必要ないのだということを明記しています。
 なぜか。その理由も書いていますよ。一般職の国家公務員と違って、検察官には職制上の段階がありません。検事総長も検事長も検事も、法律上はみんな検察官です。柔軟な人事がだから可能だということなんですね、名前に関わらず。あるいは、検察官は誕生日で退官をします。ほかの国家公務員のように、誕生日を経過した後の3月31日で一斉に辞めるということではないと。一斉に退職されると職場がそのときもたなくなるということがあり得るわけですが、そういう事情も検察官の場合にはないのだと、などなど書いています。
 そして結論として、63歳以降続けさせる特例がなくても、それにより公務の運営に著しい支障が生じるなどの問題が生じることは考え難く、検察官について特例を設ける必要はないと明記されています。
 昨年十月末までの法案の検討の中で、検察庁などは、六十三歳以降も続けさせる必要はない、それによって公務の運営に著しい支障が生じることはない、こう結論付けていたじゃありませんか。なぜ急に63歳以降もやらせないと公務遂行に支障が生ずることになったんですか。180度変わったんですか。

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<検察官は勤務延長の規定がなくても公務に支障は生じないと法務省自身が認めていた>

●上西 問いに対する答えのところは出してないんですけど、結局あまり、答えにならない答えだったので、そこは省略しました。今のところ、解説していただいていいですか。

●山添 今の最後の、大臣に問うたけれども大臣が立たなくて、立てなくなってですね、結局、刑事局長が答弁したというのが、あのあとなんですが。
なぜ63歳以降もやらせる必要があるのかというと、名人芸だとか離島が例に出されていたように、公務の遂行に支障が生じるからですね。公務が続けられなくなるからということを言っているわけですが。
確かに一般の国家公務員では、そういう事情がありうるんだと。しかし、検事はそうじゃないんだっていうことを、法務省自身が文書でまとめていたわけです。

●上西 昨年の段階でね。

●山添 そうです。その理由が今、いろいろ言っていたところですけども。

●上西 年度末で一斉に、とかじゃないと。

●山添 はいはい。だから、計画的に人事ができるわけです。誕生日で辞めるということはわかっていますから。しかも一斉に辞めるんじゃなくて、順々に辞めていくと。
だから異動も、それに合わせてやっているんですね。これまでも。この人が定年したら、この人をあてると。そうするとここが空くので、こっちから動かすというように、辞める人の定年に合わせて、前もって人事を決めておくことができると。しかも大掛かりなものじゃなくて、その時の退職者に合わせたものだということで、わりと柔軟にできる。
しかも、昇任とか降任とかいうのはないんですね。管理職、職階上のとか言っていますけども、さっきの質問の中では、みんな検察官だって言っていたところです。検事総長であれ、検事長であれ、検事正であれ、みんな仕事としては検察官、同じなんだと。ですから、検事総長だった人が検事になっても、そんなに不思議はないんですよね。
なんかこう、降りちゃうというようなニュアンスになると、管理職だった人がヒラに戻るっていうのは、「ちょっと、現場もやりにくいかな」みたいなのがありますけれども、そういうことがない、と。あまり観念されていないので、柔軟な人事ができるんだというようなことを、いろいろ理由をつけて、とにかく63歳を超えてまで検事長などをやらせる必要はないんだと。

●上西 勤務延長する必要はないんだと。

●山添 はい。それによって公務に支障が生じることはないんだということを文書でも書いて。

●上西 じゃあ、法務省がみずから書いていた。

●山添 ええ。法務所が書いている文書で、特例はいらないんだっていうことを言っていたんですね。

●上西 なんで、その法務省が変えてしまったか。

●山添 そういうことですね。

●上西 おかしいじゃないか、という話ですね。

●山添 それが年をまたいで変わったと。180度変わったと言っているところです。

<今後の検察庁法改定案の質疑の見通し>

●上西 というのが16日で、これがまた今週、この話が続いていく?

●山添 明日が参議院は予算委員会の集中審議で、7時間。9時から5時までですね。テレビ中継されます。私は……。

●上西 それは、議題はなんでしょう。集中審議。

●山添 なんでしょうね。「現下の諸課題」じゃないかな。

●上西 コロナ?

●山添 いや、何でもありです。諸情勢だと思う。ですから、いろんなテーマで各党ありますので、共産党は小池晃さんですし、立憲の福山哲郎さんや社民党の福島みずほさんなども質問者として挙がっていました。いろんな問題の中で、この論点について触れられる方もおられるかもしれません。
それから私自身は、次は火曜日に法務委員会がまたありますので、そこで取り上げようかなと。

●上西 法務委員会にこの法案が出て、大臣が説明するじゃないですか。法案の趣旨説明。

●山添 それが、そうならないんですよ。それがですね、この法案は国家公務員法の改正法案と一括法なんです。一括法というか、束ねているんですよね。ですから、で、国家公務員法は法務委員会ではなく、内閣委員会の所管なので、衆議院の内閣委員会に出される可能性があると。

●上西 衆議院内閣委員会は、委員じゃないんですか? あ、衆議院か。

●山添 まず、衆議院に出される、内閣委員会に出されると。参でも内閣委員会ということですけれども。で、だけど、この検察庁法の改正案を束ねて出しておきながら、内閣委員会での審議だと法務大臣が答弁しないということになりますので、それはもう、大問題じゃないかと。

●上西 だから、国家公務委員法で定年延長するのは、何も、野党も反対じゃないわけですよね。

●山添 あの、いろいろ問題はあると思うんです。7割になるとかですね。それがどうなのかっていう問題はあると思いますが、その問題と検察官の独立の問題とは……。

●上西 また別問題。

●山添 ちょっと質が違う問題だと思うんですね。

●上西 それが一括法になることによって、そういう検察官の問題が、審議がしにくくなる?

●山添 少なくとも内閣委員会では法務大臣は呼べませんので。

●上西 呼べないんだ。

●山添 呼べないというか、基本的には呼ばないと思うんです。連合審査とかいろいろ方法はありますけど、常にいる大臣ではないですから、法務大臣が認識を述べないままになる可能性があり……。

●上西 なるほど。法務委員会で話題にすることはできる?

●山添 話題にすることはできます。

●上西 でも審理は内閣委員会だと。

●山添 法案そのものの審議はその可能性があってですね。今、私はやっぱり、こういう法案は一括にするんじゃじゃなくて、それぞれに分けて審議をするということが必要じゃないかと思いますが。

●上西 ですよね。でも、それが嫌だから一括にするんですよね。

●山添 ますますそうするんじゃないでしょうかね。

●上西 はあ。じゃあ、今週から衆議院の内閣委員会で、この一括法案の審議が始まると?

●山添 今週からかどうか、ちょっと確認してないです。

●上西 わからない。情勢にもよる?

●山添 順番がどこから始まるかというのがあります。

<質問(4):安倍政権後のゆがみは、どう正せばよいのか>

●上西 なるほど。
はい。たくさん質問をいただいているんですけれども、一つですね、ちょっと厳密ではないですけれども、今回こうやって押し切られてしまうとなると、じゃあ、こういう内閣の判断で、検事長が勤務延長できるとかいうことにもなってしまうし、黒川さんも検事総長になってしまうかもしれないと。
そうなったとしたら、この安倍政権後に、そういうゆがみを正していくにはどうしたらいいんでしょうと。現下の問題も、もちろんあるんですけど、後から正常化していくためには、どうしたらいいんでしょうというような質問もあったんですけれど。

●山添 難しい質問だと思うんですね。
もう今、官僚機構そのものが、忖度をするとか、疑惑は隠すものだとか、そのためには改ざんや隠蔽も何でもありみたいなところがありますので、そこまで壊されてしまった、民主主義が壊されているような状況で、例えば野党が次の政権を担うことになって引き継いだ時に、これは機能するのかという問題意識ですよね。

●上西 問題山積のものを引き継がなきゃいけないわけですよね。

●山添 ええ。それ、もう本当に罪深い話だと思いますが。
私は、ですから、そういう事態を想定して、今、官僚、今、安倍政権のもとで、こういう汚い仕事をやらされている人たちのことを、こちらも理解するということが必要だと思うんですよね。
やりたくてやっているわけじゃない仕事もたくさんあると思うんですよ。「こんなの通りっこない」と思いながらやっているっていう事も、それはもう、顔を見ればわかるっていうかね、国会の部屋で来てもらうときでも、そういうことあるんですよね。
その時に、こんな仕事までさせられているということを、私たちも受け止めておかないといけないと思いますし、役人の皆さんがそれぞれこうやっていることは全部悪いわけじゃなくてですね、その人たちが悪いというよりは、上でそれを牛耳っている政治が今、問題なわけですから。
 やっぱりこう、「今、ここが本当に苦労しているところだよね」っていうことを、わかって、わかった上で質問するということが必要じゃないかなと思うんですよね。
例えばさっきの、22条の改定案の前と後ですね。2項しかなかったのが、8項までずらっとなったと。あれ、本当に大変な作業だと思うんですよ。1個いじると、他にもう、波及するわけですね。引用している条文があったり、他の制度との整合性があったり。その作業を、黒川さんを残したいがためにやらされたわけですよ。
黒川さんを残すこと自体が違法だし、不正が疑われるものであるにもかかわらずですね、それを隠すがために、法案の修正作業までやらされている。で、理屈にならない理屈をこねなければならないと。それ自体ですね、やっぱり普通の役人や、あるいは検察官にとっては、もう耐えがたい話だと思うんですよね。そういう状況で働いている人がいるってことは、理解しておく必要はあるのかなと思います。

●上西 そうそう。だからそのあたりがね、国会質疑でも、政府参考人という形でね、官僚の方が答弁するから、どうしてもその官僚の方が、「なんでこんな答弁するんだ!」っていうふうに、私たち見てしまいがちなんだけれども、そういうことを、配慮を知っているような事っていうのが、質疑の中でね、言葉の端々に見えてきて。小川淳也議員なんかもね、やっぱり、そういうところがあって、それはやっぱり、野党の側がそういう配慮を見せるっていうのは、大事ですね。

●山添 田村智子さんなんかもね、「桜を見る会」の追及などで、「役人の皆さん、もう、こういうのはやめましょう」ということを質問の中で言っていたこともありましたけれども、やっぱりそういう中で、「本当にこのままでいいのかな」と思う役人、役所の方もですね、出てくると思うんですね。
まだまだいろんな資料が出せると思いますし、桜の問題についてもですね、まだまだ出てくると思います。
そういう国家公務員の皆さんの、あるいは検察官の矜持だとか、持っているものにですね、働きかけつつ、「実際はこうでしょう? 本当にこれでいいと思っているのか」っていうことは、率直に言うと。両方、必要なんでしょうか。国会で取り組む中ではそう。

●上西 いろいろに資料が出てきたら、「これもやっぱり、こんなの無理でしょ」っていうふうに、法改正が阻めるかもしれない。

<世論の広がりの大切さ>

●山添 そうですね。その中で世論が広がるということが、これはもう、不可欠だと思います。
そういう、国会の中で、多少のね、人間関係でどうなるものではありませんので、「こんなものは到底許されない」という声が広がって、断念させると。その経験をいろんな問題で積み上げるということだと思いますね。

●上西 そう。だから、黒川さんの時は結構ニュースにもなっていてね、なんか黒川さんの話と、検査庁法の改正という話になったときに、話が同じなのか違うのかもわからないくらい、ごちゃごちゃになっちゃって、検察庁法の改正という新たな問題が起きているんだっていうことがあんまり認識されてないと思うんだけれども、でも、これが大問題だっていうことが、世論的にちゃんと認識されるようになってきたら、国会の情勢も変わってくるかもしれない。

●山添 そうですね。各党がこの問題で突っ込んだ議論をするようになっていくとかですね、各新聞、マスコミ、テレビなど、マスコミがですね、報道するとかいうことを通じて、みんなの問題になっていくということが、もうちょっと必要なのかなと思っているんです。広がっていくことが大事だと。

●上西 今日の解説をいただいたのが、そういうきっかけになるといいなと思っています。

●山添 2時間かかりましたね。

●上西 2時間ずっと議員さんにつきあっていただくというのが、なかなか私たちとしても、お願いして大丈夫だろうかというのがあったんですけれど。

●山添 いやいや、それは大丈夫です。

<質問(5):山添議員の時間管理と質疑の準備>

●上西 今、質問の中でもね、山添さん、質疑をすごく緻密に組み立てるのは、「いったいそんなことをやる時間、どこにあったんですか」「いつもどういうふうに時間の管理されているんですか」みたいな。

●山添 隠し持っています(笑)。あと、一人で作ってる訳じゃありませんので、作った原稿を、秘書の皆さんにも読んでもらうとかですね、ほかの議員からもアドバイスをもらうとか、要するに、掘り下げていくと、自分ではここが聞きたいとかですね、ここに重きを置いているとか、突っ込みたいポイントというか、アピールしたいポイントっていうのはあるんですけど、それがそのままみんなに伝わるとは、限らないですよね。
ですので、独りよがりにならないように、いろんな意見を受けながら、かつ、国会審議ってやっぱり、裁判とちょっと違うのはですね、裁判の証人尋問というのは、突っ込んで、突っ込んで、例えば「はい」と言わせればそれで勝てるとかですね、勝てるっていうか、有利に働くということが結構ありますけど、国会審議で「はい」って言っただけじゃ、わけわかんないときがあるんですよ。

●上西 そうなんですよ。核心に届いても、結局それがこう、周りの人に理解されないと、世論に理解されないと。

●山添 そうなんですよね。まず委員会室が理解すると、野党議員が共感するということが必要なんでしょうし、与党の議員の皆さんにも、こっちの問題意識は伝わる、言っていることの不合理さもわかる、そういう状況は少なくとも必要なんだと。

●上西 「このまま強行したらまずいぞ」と思ってもらわないといけない。

●山添 そして多くの見ている方、ネットも含めてご覧になっている方も含めて、わかりやすさっていうのが必要で、それを短い時間でやっていくっていうのはなかなか大変なので、工夫がもっと必要だなと思っています。

●上西 でも、分かりやすい質疑だと思うので、今日の話を聞いて、「ああそういうことだったのか」と理解が進んだ方は、ぜひ16日と18日の質疑も改めて見直してみて頂ければと思います。
2時間になりましたけれども、どうもありがとうございました。

●山添 ありがとうございます。

<カンパのお願いと最後に一言>

●上西 あ、カンパの、忘れるところでした。
私たち、この国会パブリックビューイングは、皆さんから寄付をいただいて活動を続けています。
で、街頭で募金箱に入れていただくこともありますけど、最近ちょっと街頭に出られない状況なものですから、寄付の振込先を、こちらに掲示をさせていただきました。どうぞよろしくお願いします。
じゃあ、最後に一言。

●山添 最後に一言。まだまだ追及をしていきたいと思いますが、今、新型コロナの感染の拡大だとかですね、それに伴う経済への影響だとか、あるいは安倍政権が科学的根拠なくいろいろやってくるということで、毎日の暮らしだとか仕事だとか、それ自体に大きい影響が出ていると思うんですね。
だから、で、大変だからしょうがないというふうに思ってしまいがちなところがあると思うんですけど、そういう時だからこそですね、問題あることは問題あるということを、みんなが声を上げていくことが大事ですし、「自分のこの給料は何とかならないのか」とか「このフリーランスでの本当は得られるはずだった収入は、どうなるのか」というようなことを、我慢せずに声を上げる、そして国会でも私たちも取り上げていきたいと思いますし、それに紛れ込ませるようにして、こういうひどい法案も出してきている。その問題も私たち、可視化をして、みんなで怒りを共有できるようにしていきたいなと思っています。ひきつづき、がんばります。
こういう場を作っていただいて、本当にありがとうございます。

●上西 こちらこそありがとうございました。
では以上で、今日の国会パブリックビューイングを終了とさせていただきます。ありがとうございました。

●山添 ありがとうございました。