コンセプト決めのための下拵え②
コンセプト決めの要素っぽいものを書き連ねていた前回の続きです。
干からびた脳から絞り出すぞ。
好きなものを解析
まず最初に挙げた「好きなもの」の項目をこね繰りまわしてみる。
紫色/緑色
→シンプルに好きな色。どっちも中間色だね。……ミステリアス要素?
ニュートラルなのが一番好きだけど、色相環での隣の色に寄っていても好き。
昔はこうはっきりと言える色がなかった。自分のテーマカラーというか。小学生の時、お土産の色違いのマスコットやペンを分ける時は大体余った色だった。「どの色も綺麗じゃん」という、そうだけどそうじゃねえ! な思考に逃げていた。
藤の花/雷雨/星
→自然物。藤も雷雨もタイミングが限られてるものだな……星だって毎日動くし。珍しくはないけど常設ではない。
触り心地の良い布製品/万年筆/紙の本/革製品/ジーンズ/コーヒー
→日常の定番品。安全欲求?
万年筆や革製品は手入れをしていれば何年も使える。インクは好きな色に変えられるし、革の経年変化は味わい深い。意外とタフ。クラシカル。データは1秒で消えるが紙は100年残る。
宝石(特にペリドット、アメシスト、ムーンストーン)/イヤリング、イヤカフ/指輪
→アクセサリー系。私は結構アクセサリーを自分のバフというか補強としてつける節がある。脳内に響き渡る「アクセサリーはアイデンティティ」by あきやさん。
スタメンは指輪。きっかけはピンキーリングで、その子はもう10年選手になる。次に耳周り。穴は開けていない。耳朶は厚くて大きい(とよく言われる)。手と耳は自分の体のうちで気に入っている部位だから飾るのが楽しい。
ネックレスは雷に打たれた子を偶に。ブレスレットは皆無。
動作の邪魔にならない(機動性)、洋服を問わず着けてるところが見える(主張)のが大事っぽい。
香水/マニキュア
→「私による私のための○○」を一番感じるところ。自己実現欲求かもしれない。物語性。最近はNISHANEのウーロンチャを演歌買い(ひと様の言葉を魔改造するな)した。
国語辞典で遊んでいた
貴方はどんな人ですか? と訊かれると困ってしまうが、どんな子供でしたか? と聞かれれば「本が好きな子供だった」と答えられる。
読むジャンルが幅広いわけではない。作者繋がりで別作品にあたることもあるけれど、全制覇というほどでもない。好きな本を何度も飽きることなく読んでいた。お小遣いを貯めてせっせと買ったのは本だった。
さすがに授業中は好き勝手に文庫本やハードカバーを持ち込んでは読めないけれど、私には強い味方がいた。教科書、便覧、辞典である。
テストで点数が取れるタイプのキッズだった私はとっくに読み終わった教科書と授業を尻目に、真面目なツラで国語辞典を読んでいた。調べ物のためではなく、趣味や遊びとして、児童文学や詩集と同じノリで没頭して読んでいた。まじめにふまじめ。
国語辞典は私の遊び場だった。どのページを開いても何かしらの情報が載っている。未知と既知であふれている。悪意のないTwitterみたいなものだった(この表現も大概だけれど……)。
涙ぐましい努力は1㎜もない、真摯に勉学を志してもいない、根性もない、何か将来の助けとしての準備でもない。過集中の傾向がある子供の、ただの遊びの思い出です。
核は旅
愛読書の一つに『寺山修司少女詩集』という書籍がある。そこに収録されている「あなたに」という詩が刺さってから今でも抜けないでいる(是非読んでみてください)。まさしく私も書物のなかの海を航り、草原で旅情を確かめ、町で出会いを待った、家なき子のひとり。書物は旅であり、家路でした。
旅繋がりで、『フランス人は10着しか服を持たない』(愛読書②)でも「人生は旅である」という有名な言葉を繰り返していた。
蛇足だけれど愛読書③はムーミンシリーズの『ムーミン谷の十一月』。ムーミン一家の旅行中、みんな出払ったムーミン屋敷に事情を抱えたひとびとが集まってすったもんだする話。つまりムーミン一家は誰一人登場しない。
コンセプトの話に戻る。
前回は「文字を繰るひと」を仮に置いた。今回の「旅」を加味すると、「言葉の沙漠を旅するひと」だろうか。「砂漠」ではなく「沙漠」と表記したのがポイント。海でも空でもなく陸路。惹かれるワードに挙げた「オリエンタル」から、イメージはシルクロード。
旅人だから肩肘張った格好や機動を下げる恰好は適さない(「気まま」、ジーンズ、パンツスタイル、アクセサリーの範囲)。
長旅になるから持ち物はアナログで持久力がある物がいい(革製品、万年筆)。
言葉を扱う人への敬意を込めてきちんとした装いでいたい(「どことなく品がある」)。
旅人=異邦人なので、地元の人とは少し雰囲気が違う(「ミステリアス」「二度見」「ひと癖」)。
余所者だからって舐めてかかるなら容赦しない(「反撃」「暗器」)。
……おお。
ちゃんと繋がってきたじゃん!
もうちょっと装飾語は考えたいな。今日はこの辺で。
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