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らぶこーる - 2話 -

——   天使たちと出会ってまだ2日目。天使が何
   をしてるのかも詳しくはわからないし...と
   いうかまず、どうしてみえるようになった
   のかさえわかっていない。ただ、すでに違
   和感がなくなってきている。

ぼく 「天使さーん...」

赤天使「おはよー!」

ぼく 「お昼寝の時間だけどね...」

赤天使「たしかにそうね!」

ぼく 「ほんと元気だね...」

赤天使「もちろんだよ!だって赤色だよ?」

ぼく 「そうだ、今日はそれ聞かせてよ...」

赤天使「ぼくらの8色についてのことだよね!」

ぼく 「それそれ...」

赤天使「まず赤は、8色の中で1番強い力を持っ
    てるの!人としての魅力を引き出してい
    くのは得意分野だね!他人の魅力を引き
    出す力も合わせてね!」

ぼく 「まさに赤天使さんって感じだね...じゃあ
    さ、赤天使さんがついた子には、その力
    が加わるってことなの?...」

赤天使「それがちょっとややこしいところなんだ
    よね!」

ぼく 「じゃあわかった...色はそれぞれに意味が
    あるってので理解したから、そのややこ
    しいってところを教えてほしいな...」

赤天使「端的に言うと、天使の存在はあくまで付
    属品で、それを使えるか使えないかは小
    学校に入るまでの歳の子達の力次第って
    こと!」

ぼく 「確かに仕組みはややこしいね...各々の天
    使が全力尽くしても、変わらない子は変
    わらないってことだよね?...」

赤天使「例えるとさ、鉛筆みたいなんだよね!生
    まれてから小学生になるまでは角ばった
    状態なわけで、あ、削ってないからって
    ことね!そこからは、ひとりひとりがど
    こまで削ったら文字が書きやすいか、自
    分に合ってるかをみつけるわけなの!そ
    こに僕たち天使が各々の持ってる力をア
    ドバイスって形で渡していく感じになる
    んだよね!わかった?」

ぼく 「おもしろい例えだね...でも、なんでか今
    の例えでわかった感じはするね...」

赤天使「ほんと?よく例えがわかりにくいって言
    われるからさ、なんか嬉しいな!」

ぼく 「実はぼくも全く同じで、例えわかりにく
    いって言われちゃうから、赤天使さんは
    ぼくと似た匂いがするね...」

赤天使「あ、そう言えばだ!実は昨日、きみのこ
    とを調べてみたんだよ!そしたらさ、赤
    色の天使が付いてたみたいなんだよ!」

ぼく 「え?そうなの?...」

赤天使「しかも、ぼくのおじいちゃんが担当して
    た!すごい偶然じゃない?」

ぼく 「嘘でしょ?...すごすぎるね...」

赤天使「だからね、わざわざおじいちゃんに当時
    のこと覚えてるかって聞いてみたの!」

ぼく 「もう何十年も前だよ?...」

赤天使「そしたらさ、ちゃんと覚えてるって言う
    んだよ!なんせ、きみの力が強すぎて、
    何もできなかったって言うんだから!」

ぼく 「自覚はあるよ...とにかくわがままで言う
    ことも聞かないし、当時は謝ることが嫌
    いだった覚えもある...」

赤天使「おじいちゃんの言ってたとおりだ!ほん
    とうに鉛筆を削るのが早かったみたい
    で、芯が折れるギリギリくらいまで削っ
    ては、すぐに使って、先端が折れたり丸
    くなったりしたら、すぐに削っての繰り
    返しだったみたいだね!」

ぼく 「おっしゃるとおりです...」

赤天使「ただ、おじいちゃんこんなこと言ってた
    よ!」

ぼく 「なになに...」

赤天使「もう、真逆の人間になってるんじゃない
    かなって!」

ぼく 「というのは...」

赤天使「おじいちゃんっていう赤天使が付いてた
    って言うのももちろんあるとは思う!そ
    れとは別に、持って生まれたものがなに
    か他と違う気がしてたみたいだよ!」

ぼく 「君のお祖父様の力だと思うよ...どこか自
    分の中にあるものが赤天使さんに近い気
    がするって思うのも、恐らくね...」

赤天使「おじいちゃんが鉛筆の例えを教えてくれ
    たの!【鉛筆は、1ダースある。種類は
    人それぞれ。ふつうの黒い芯だけのもあ
    れば色鉛筆も。使い切らなければ新しい
    型には辿り着かないし、見えぬ世界を見
    ぬまま時が止まる。】って!」

ぼく 「素敵な考えだね...心に響くよ...」

赤天使「ぼくもこれを聞いて感動しちゃってさ、
    以来ずっと鉛筆の例えを使ってるの!」

ぼく 「お祖父様が仰ったことを軸に考えると、
    ぼくは鉛筆をよく削ってた、故に元から
    持っていたダースとは違う型に辿り着く
    スピードが他人よりも早い。チャンスも
    多い。ってことだよね...」

赤天使「そういうこと!おじいちゃんが天使とし
    て付いていたからこそ感化されたんだと
    思うよ!ちゃんとおじいちゃんの力を受
    け取ってたんだね!」

——   だが、お祖父様との記憶はまるでない。

- Continued in Episode 3 -

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