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TomoPoetry、空の隙を輝かせ。

空を裂く
空の向こう側を覗く
そのために飛ぶのは
鳥ではない
声ではない
時ではない
剣ではない
空が割れる鋭い音ではない
空はすでに裂けている
鳥は
隙間を輝かせるために飛ぶ

世界を裂く
世界の本質を探る
そのために走るのは
風ではない
地軸ではない
欲望ではない
悟りではない
炎ではない
世界はすでに割れている
ひかりは
闇をあきらかにするために射す

ひとは
思いを引き裂くために
線を引くのではない
思いは裂かれている
いくつにも
ひとの表面も
内部も
線の洪水だ
ひとは
線を束ね
背負い
纏い
倒れても覆われる
夥しい線
読み取れない線
決心する線
切り取ることを明確にする線
ひとは
線を跨ぎ
線に刻まれ
歩む
線が無くても生きていける
そのことを
示すために
ひとは引き裂かれて
歩む

空の隙間に
鳥が落下する
世界の裂け目に
ひとが引き込まれる
思いの
輪郭や
陰を描く線に
ひとは擦り込まれる

ある朝
都市は鳥で埋め尽くされている
建物も
地下道も
博物館も
色を失った鳥で
埋め尽くされている
鳥を踏まないように
足を
擦りながらすすむ
空も鳥で埋め尽くされていて
空の
向こう側は見えないが
すべての道路
線路 そして
地表には
裂け目が
ある
落ちないように
歩む
闇の本質は見えないが
ひとの表面
内部は
黒い線が張りめぐらされ
言葉は
音のない器の
破片になり
文字は
罅に
刻まれる

わたしは
どこへ向かっているのか
空から
鳥の羽ばたきを聞く
地表の裂け目から
漏れるひかりを見る
まもなく
わたしも
隙間に落ちるだろう

今宵
鳥が
地軸へまっすぐに落ちる
そのとき
わたしは見るだろう
鳥のいのちが
ひかりになるのを
照らされる
世界の本質を

そのあと
わたしは
鳥のいのちの姿勢で
立っていることができるだろうか
空の隙間を
輝かせる
鳥のいのちになって
とおり抜けることができるだろうか

空の欠片のような
輝く羽毛が降ってきたら
あなたの両手で
受けとってほしい
あなたの
いのちとして

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