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よせる波とひいて消えさる波。


あなたをのみこんで
おおきい波、そして崩壊がきた
折れる骨
こなごなになる空
言葉は消えた

しばらくすると
しずかに星は震えた
過去を思いだすのではない
来るあたらしい時間を
おそれるのではない
全身をおおう
線が
震えている

もう 生命体ではない
時と
影がゆれる
みじかい時間

時がこまかく
砕けながら
あなたの前へ前へと
ながれていく

ある夜明け あるいは
午後のあかるさ
紺色の夜
あなたはこの世界にはいない
はるかかなたの
闇からわたしに目配せする

あとすこし
あとすこし 待っていて
次の波の
泡になるから

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