輪になるもの

まるくなった口を 舐める 星座図から 正しい球体を 集める 純白の破れそうに やわらかい星を 口にふくみ ころがし きみをつくる 一日だけの宇宙 そして充実 夜に歯ぎしりする 破れ水浸しになって きみもわたしも 泣く 宇宙の端と端 ひとり正座して 足先から 白くまるくなる だれかの舌で 転がされて まもなく 真珠となり 輪になる 時の声をきく 甘くかなしい生 なめらかな冷たい死 ひとつの　 輪になり かすかな音が きこえる きみの生きた時間が とおざかる音 わたしは まるい口で共鳴する 記憶の笛になる