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TomoPoetry、背に背負うもの。

まだ星が眠っている 歴史のなかを 光を背負う背 いたみを背負う背 涙を背負う背 時を背負う背 死を ひらいたままの口を 音のない言葉を さらさら砕ける音を 永遠につづく叫びを そのあとの静かさを なにかを見た眼を 背負う背が 遠ざかっていく 眼窩に 遠い星がひかる 地球ではない世界で 覚醒する 氏名がない 時計が示す時間は はるかな過去の空白 誰の誕生日 星は 漂流する 誰もいない朝の青 過去はテーブルにこぼれたコーラ 未来は瓶ビール 記憶と肉体を どこかに置いて来てしまった きみはどこで 何のために存在しているのか 大声で質問する 返事するものはない きみは誰だ 思い出すために 銀河のカーテンを開ける 誰のための水の星か 思い出すために きみは何を必要としているのだろう かすかに残る神経に 刺さった棘 ペンチで挟み 引き抜こうとするが 棘は わたしの骨に溶け込んでいる 棘がきみの存在を確信させる きみが雨になるまで あとどのくらいだろう 背負う 棘 その意味について思う 解答を得るために きみは何を必要としているのだろう きみの背負う棘に 触れる 手が見える そんな朝がある

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