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TomoPoetry、風が鳴らす笛。

**頭に穴がある 聞くためではない 考えるためではない 夏は蝉が みじかい命をかくす 嘴が 記憶をくだく 炎が 時を灰にする 生まれたのは きみの花嫁 死んだのは きみの恋人 飛びたったのは きみの記憶 きみは見ただろうか 風を感じただろうか きみの宇宙に ひびく音 やぶれた鼓のように 破裂する砲弾のように 星は ふるえる 空がくだけ 塵になって降る 昼は銀 夜は紅 さらさらと 音をたてて 木管の葬送曲 きみの空にもひびいているか 言葉にならない 風の音 それが わたしの宇宙のふるえ 耳では聞こえない 銀河の風 見えない道について ひとり歩く足音について 遠くの悲鳴について 風が鳴らす 光の糸 言葉にならない響きで 誰かが こたえる 銀河に ながれる口笛 きみの頭で 共鳴しているか**

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