ある朝
わたしはすべてを失った
あるいは すべてを見つけた
わたしの息のなかに
かれは
はるか昔に死んだ
明け方 彼は口笛を吹いて
わたしに語り続けた
世界のあたたかい日差し
凍ったままの赤い蕾
死んだまま
生きている不思議
わたしは
彼の口笛が
ひびく宇宙に浮いている
ねえ きみ
語りかけた時
わたしは誰もいない世界にいる
青い河岸で
星に向かって息を吐く
青い星と
すべての泣き声が
ひびく
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