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TomoPoetry、静まりゆく豆腐


宇宙は凍えている
右と左の手を握っていた手は
透きとおり
くだけてなくなった
まだささやきは聞こえている

覚えているかい
心がこごえていく年月を

目的地にはたどり着いたかい
そもそもそういうものをきみは見ていただろうか

豆腐は悶えている
すべての愛のかたまりのように
憎しみの跡がのこる肉体
星が凍ると磨かれ
欲望が緑の芽のようにのびると
切り刻まれ
きみは浮いている

ぶら下がっている死を売る
死からしたたる時間を四角に切る
その時間だけは
きみの手で触ることができるだろう
無数の立方体に
宇宙の命が凝結している

ポン酢にひとつ
唐辛子にひとつ
ヨーロッパのオリーブオイルにひとつ
人類はすでに酔っている

売ることと買うことを知った
罪と穢れを
夜ひとり食べる

地球も凍えている
魂がもだえているきみも
リボンに結ばれた愛
銀色の指が
時間をあける
豆腐は
徐々に崩れていく

夜ひとり
記憶を四角い立方体に切る
罪を食べる
何名か名前をわすれる
愛を食べる
遠い星雲がふりまいている波の味
新しい魂がかたまる

名前
夜風が語ったが忘れてしまった

手をやすめると
多分 太陽系も銀河もない
冷めた湯に
浮いている宇宙が静かになる

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