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TomoPoetry、きみは何を語るのか。

さあ 言うがいい
きみを槍で刺し
笑う男に
呟くがいい
きみの血がながれるのを
喜びおどった男に
死の扉のむこう
どこまでも落ちていく闇について
一言
語るがいい

おおくの耳が
きみの声を待って
何千年だろう

目が覚めると
星が洗われるような
耳鳴りがする
それは
聞こえないきみの声が
世界から欠けている
せいだ

朝の道に
無意味な耳鳴りが
反響している
バス停で
横断歩道の白を跨ぐとき
自動扉がひらくとき
わたしは聞く
生きよ
生き血よ

きみの声か
わからないわたしは
飛行機の音を追って
見上げる
音もなく
鳥が青に消えていく



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