からだのこと
いつだって自分がしたいことを最後の最後に邪魔するのは自分の体だった。
小さな頃からアトピー性皮膚炎で悩んでいる。いや、小さな頃はそこまで悩んでなかったかもしれない。「いつかは治る」なんて根拠のない自信に満ち溢れていた。
歳を重ねるごとにその自信は消えていった。この「障害」はいつまで自分を苦しませれば気が済むんだろう。アトピー性皮膚炎は尋常じゃないほどの痒みが出るが、我慢できる人もいるし普通に生活している人もいる。だから「障害」には認められない。だがしかし、中学生の頃から自分はこれを「障害」にしか思えなくなっていた。
きっと今までの片想いはほぼほぼアトピーが原因でだめだった。確かにそう言われたわけではないけどアトピーのこの汚い肌に引いてるなって人は少しだけわかるようになった。今の彼女以前に好きになった人は(みんな自分の片想いだったが)少なからずもそんな雰囲気があった。
恋愛だけではない。遊びにいくのだってそうだ。汗かいたまま放置にするのがほんとにダメなのですぐにシャワー浴びれる状況じゃない限りあまり汗をかく遊びはできなかったし、めちゃくちゃ多い食物アレルギーのせいで食べ物だって満足に食べることができない。米も小麦もアレルギー反応が出ているため、毎日薬を飲みながら食事をするしかない。薬を飲んでも痒みは出るし、きっとこれを読んでいるあなたが想像する痒みの何百倍も痒い。それでも周りの人間は平気で「あんまり掻くなよ」なんて言うもんだから腹が立つ。
いま通っている皮膚科の先生から、「アトピーは治らない」と言われたこともある。波のようなもので落ち着いている周期と酷くなる周期がある。それを薬の力で落ち着いている周期を長くしていく、というのがその皮膚科の方針(?)らしい。
飲食の店で、アトピーの人間が働くのは難しいことぐらいわかっているつもりだった。やはりアトピーの肌は汚い、と思われるのだろう。それもわからなくもない。アトピーを持って産まれるだけでこうも生き辛いものか。やはりアトピー持ちの辛さや悩みはアトピー持ちにしかわからない。治す努力をしないわけではないが、生きやすい世間になる日がいつかきますように。