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予実管理がない情シスの話

今日は12月28日。前日か今日が仕事納めの会社が多いと思いますが、今年も色々ありましたね。
皆さん、今年もお疲れ様でした。

年末年始でしっかり英気を養い、また来年から情シスとして頑張りたいところなんですが、年明けの少し牧歌的な空気が終わると、会社によってはアレがやってきます。

そう、予算の策定です。

事業部門は売上予算を、そしてバックオフィスである情シス部門ではIT予算を作り上げるという気が重いプロジェクトが走り出します。

予算策定のプロセスについては会社によって様々ですし、私も語れるほど経験がないので、今回はIT経費の予実管理がない会社についての話をしたいと思います。

「え?予実管理ないの?使い放題じゃん、やったー!」と思う方がいるかもしれませんが、結論から言うと使えるお金はCFOの匙加減で変わります。
ITに限らず経費の予実管理はそれなりにコストがかかる作業ではあるので、特にベンチャーでは販管費という括りで見れば十分という感覚を持っているCFOの方が多いのではないかと思います。(CFOがいない会社は財務責任者と読み替えてください)

ガンガン売り上げが伸びているフェーズでしたら「事業が伸びていますしこれこれのIT経費が必要です」と説明しやすいですし、実際に稟議が差し戻されることも少ないので、情シス部門とってもIT投資を進めやすいという空気感があります。

ただ、2022年末現在の世界の経済状況をみると、マクロではアメリカのリセッション(景気後退)が予測されており、日本企業もその影響を受ける可能性が高いですし、円安による物価高で販管費全体が増加していくことが見込まれます。

そういった状況で、CFOとIT予算について普段からコミュニケーションをとっていないとどうなるでしょうか。
私の経験上、コンサバな売上予算を策定したにも関わらずさらに下振れることにより、急にコスト削減タスクを差し込まれたり、IT投資の合理性(投資対効果)についてかなりシビアになることが多いと感じます。
つまり仕事がめっちゃ増えます。

予算策定を行っていても上記のようなタスクは増えるでしょうが、予算策定を行っていない場合はそもそもなにを削減したらいいのかも把握できていないことが多いため、差し込みのインパクトが非常に大きいです。

これに対してのアクションとしては、まずはコスト削減の余地がどこにあるのかの目星をつけておきましょう。
例えば、(やりたくないですが)PCのスペックを影響の少ない範囲で妥協する、SaaS等のサービスを解約もしくはプランをダウングレードする、計画しているIT投資の凍結もしくは規模縮小、人員の削減・増員計画の凍結、などです。
それぞれどれくらい費用が削減されるのか、どれくらいのマイナスインパクトがあるのか、どれくらい工数がかかるのかをざっくりでいいので見積もっておくと、いざコスト削減の嵐がやってきたときにもCFOとすぐに膝を突き合わせて熱く議論できることでしょう。

コスト削減タスクの差し込みは、情シスとしてのモチベーションがゴリゴリ削られるイベントですが、財務状況が改善した際にはより効果的にIT投資を進められる筋肉質な体制に生まれ変わる良い機会だと思いますので、事前に準備してスマートに乗り切りましょう。

会社は仕事納めだけどやる気が滾って仕方がない(!)という方はぜひ年末年始にIT経費について見つめ直してみると良いのではないでしょうか。


余談なんですが、IT予算の策定をしない場合、前年の実績が次年度のIT予算のベースとなることが多いです。(社員数が去年よりこれだけ増えるからIT経費もこれくらいかな?と)
つまり何が言いたいのかと言うと、事業が順調な時はコスト削減には手をつけない方が良いということです。

単純に、もっと事業を成長させるための施策に情シスの時間を使うべきというのと、いざコスト削減が現実的になった場合に、あらかじめ見込んでおいたコスト削減案を既存のIT投資計画を進める原資に当てることで、IT投資を止めないということに繋がります。
実際「これやるなら別のところでコスト削減できる?」ってよく言われます。

まぁ、本来はそういった状況でも必要なIT投資はコスト削減に関わらず経営陣に説明した上で予算を獲得すべきですし、コスト削減案を温めておくというのも場合によっては会社にとっては損失なわけなので、正攻法ではないとうことを十分に理解した上でコスト削減案を温めるべきか判断してください。

あと、会社の財務状況の改善の見通しが見えない場合は転職も視野に入れた方がいいかもしれません。コスト削減の圧に晒され続ける中で得たスキルは情シスとしての市場価値をあげてくれないものが多いんですよね。。良いお給料を出してくれる会社はそんなスキル必要ないんですもん、悲しいです。。

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