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「もみ消し(Stifle)」について  第4回

獰猛、なかむぅです。
もみ消しについてのお話も終盤になってきました。
 個人的な考察にお付き合いいただき誠にありがとうございます。
 前回まではもみ消しの使用例をお話ししてきましたか、今回は「もみ消しを使用する上での注意点」をお話しできたらと思います。では早速始めたいと思います。

「もみ消し」の運用の注意点


 前回までは、もみ消しの有用性のみのお話になっていましたが、どのカードにも欠点や対策があるように、万能ではありません。
 ここでは、もみ消しを使用する上で前提となる情報をお話しできたらと思います。
 そもそも、もみ消しとは、
⚫︎1マナのインスタント
⚫︎起動、誘発型能力を打ち消す
であることから、プレイするためには土地がマナを生み出せる状況を保たなくてはならないということです。
 上記のことから考えると、対戦相手のデッキにもみ消しの対象が少ないと、ただ土地ともみ消しを持て余すことになります。このことから、対戦相手のデッキのアーキタイプを最序盤で予測、把握し、もみ消しの有用度を見極めなければなりません。もみ消しが有用であればもみ消しによるコントロールを行い、有用でなければ渦まく知識とフェッチランドによる手札のリフレッシュが望ましくなります。

先手でもみ消しを持っている場合


 それでは、先手でもみ消しを初手に持つ場合のプレイングになります。私はクロックが1ターン目にプレイできる場合、もみ消しを構えずクロックを戦場に出します。対戦相手はこのクロックを見て、デルバー(クロックパーミッション)と予測します。この時、対戦相手は後手の自ターンで除去をキャストするか迷います。なぜかは「目くらまし」の存在です。目くらましは自分のコントロールする島を手札に戻すことで対戦相手に1マナを要求する打ち消し呪文です。この呪文の存在により、対戦相手は確実にクロックを除去しようと、次のターンで1マナ以上を確保することが多いです。そうすると、対戦相手は能動的に除去以外の呪文をキャストすることが多くあります。この時が対戦相手のデッキの見極めチャンスになります。

対戦相手の土地から序盤のうちに多くを予想する


 土地の種類、そこからキャストされる呪文、これらからデッキの予測と把握が始まります。しかし、土地と呪文を確認しても、試合前に自身が多くのデッキレシピに目を通しておかないと、予想すらできずに間違ったプレイングを予定してしまいます。これはできるだけ避けたいことになりますので、事前に最低限の現環境のメタ上位は目を通しておきたいところです。
 少し話を戻します。対戦相手が後手1ターン目に、デッキを悟られないよう、フェッチランドを起動せずターンを返すことがあります。これは好機になります。手札にあるもみ消しは対戦相手の土地を葬ってくれるでしょう。

対戦相手がフェッチランドを起動しない理由


 ちなみに、フェッチを起動しない対戦相手の目線でも考察しましょう。フェッチランドを起動しない心理としては、以下の点の可能性があります。
⚫︎土地から自分のデッキを把握されたくないため。
⚫︎持ってくる土地が基本でない土地を優先したいため、持ってきてしまうと不毛の大地で破壊されるのを避けるため。
⚫︎手札に土地が少なく、序盤のドローで土地を引く可能性を高めるようデッキ内の土地を圧縮したくないため。
⚫︎何かしらの理由で、次のドローを確認してから持ってくる土地の種類を決めるため。
⚫︎手札に土地が潤沢にあり、自分の都合の良いタイミングまで相手にもみ消しを構えさせるため。
⚫︎インスタントタイミングの呪文や起動型能力が手札に多い(またはそれしかない)ため。
 細かい点ではまだあるでしょうが、私はこれらを想像します。

後手でもみ消しを持っている場合


 後手でもみ消しを持っている場合、基本的には土地をセットし、もみ消しを構えることにしています。特に、基本ではない土地をセットする場合はほぼもみ消しを構え、対戦相手の不毛の大地をケアします。フェッチランドをセットした場合は能動的に起動せず、対戦相手がフェッチやその他起動、誘発型能力を使用するタイミングまで温存し、もみ消しを使用します。特に最序盤のフェッチランドは対戦相手にこちらのデッキを予想しづらくさせるため、もみ消しの成功度も高くなります。
 ちなみに、こちらが後手時は対戦相手が不毛の大地を使用してくる頻度が高くあります。ある条件下では対戦相手のアドバンテージを削ることができます。対戦相手が2ターン目に不毛の大地を起動し、こちらの土地を破壊しようとしています。これにもみ消しで対処しようとすると、対戦相手が打ち消し呪文をもみ消しに使用しました。その際にこちらに「目くらまし」があれば、不毛の大地が対象にしている自分の土地をコストとして手札に戻し、以下の状況を作り出せます。
⚫︎対戦相手の打ち消し呪文が目くらましであった場合、対戦相手は土地を戻した分テンポを失い、こちらは後手のハンドアドバンテージを持ったまま先手を取れる。
⚫︎対戦相手の打ち消し呪文が意志の力であった場合、ハンドアドバンテージが取れる。
⚫︎対戦相手の打ち消し呪文が呪文貫きや狼狽の嵐であった場合、テンポ、ハンドアドバンテージはイーブン。

もみ消しがデッキに採用されていることがバレている時のプレイング


 もみ消しを採用していることが対戦相手にバレている場合、プレイングの幅は大きくなります。バレていることはディスアドバンテージと思われるでしょうが、私としてはそうは思いません。
 確かに、対戦相手はもみ消しをケアしようと、もみ消しが準備される前にフェッチを起動したりします。もしかしたら基本土地で不毛の大地までケアするでしょう。その時点で、対戦相手はプレイングの幅を狭くされているのです。
 本当は、フェッチランドを温存して、然るべきタイミングで有効的に使用したかった、基本土地を持ってきたことで、キャストしたい呪文の選択肢が減ってしまった、などが発生します。こういった心理は次で話す内容につながります。

もみ消しで対戦相手をダマす


 もみ消しを採用しているということは、「もみ消しを持っているかもしれない」、と対戦相手に思わせます。もみ消しに対する適切な対処を身につけていても、困る状況を作れるのがもみ消しになります。私自身が過去の対戦で行ったプレイングの例を記載したいと思います。
⚫︎対戦相手の最適マナが揃う直前まで、わざともみ消しを使用せず、ここぞで使用(対戦相手がフェッチランドを多用することが分かった上でのプレイングになります)。それまではこちらがクロックを展開し盤面を有利にしておきます。
⚫︎ストームデッキのフェッチにスタックし、もみ消しを匂わせて、実際に持っていなくてももみ消しを持っているかのように対戦相手に意識づけ、対戦相手のキルターンを遅くさせる。その間にもみ消しを揃えます。
⚫︎2枚もみ消しがハンドにある状態で意志の力のコストにもみ消しを使い、こちらのハンドのもみ消しの可能性を下げて、2枚目のもみ消しを使用します。
⚫︎対戦相手のプレインズウォーカーの能力起動時にもみ消しがハンドにあるかのような所作をし、奥義を牽制、または、次ターン以降の起動型能力のプランを変更に誘導します。
⚫︎装備品の装備の起動にもみ消しを使用せず、クリーチャーの戦闘を促して、装備品の起動、誘発型能力にもみ消しを使用し、対戦相手のブロッカーと装備品のアドバンテージ両方を削ります。
 あまり書くと、悪行を重ねている感覚になってきたのでひとまず例はここまでで。

もみ消しでやってはいけないプレイング


 最後にもみ消しを使用する上で、やってはいけないプレイングをお話しします。以下例になります。
⚫︎暗黒の深部と演劇の舞台が揃っているとき、演劇の舞台が暗黒の深部をコピーすることで、カウンターが乗っていない暗黒の深部ができるため、マリットレイジ・トークンが戦場に出る能力が誘発します。この際マリットレイジ・トークンが戦場に出る誘発型能力にもみ消しを使用しないでください。いちどもみ消しで能力を打ち消しても、暗黒の深部の誘発型能力は常在で誘発し続けるため、マリットレイジは戦場に出てきます。もみ消しを使うならば演劇の舞台への起動型能力へ使用し、延命処置をします。
⚫︎エンチャント呪文の「行き詰まり」が戦場にある際に、誘発した能力にもみ消しを使わないでください。行き詰まりの3枚ドローする誘発型能力は、誘発した能力が解決する際に行き詰まりを生贄にすることで解決します。能力解決前に呪文を唱えると、呪文を唱えたプレイヤーの対戦相手が3枚ドローする能力が再度誘発します。
⚫︎エンチャント呪文の「騙し討ち」の能力が起動された際に、赤マナがまだ用意されている時にはもみ消しを使用しないでください。再度能力を起動されます。もみ消しを使うのならば、戦場に出てきたクリーチャーの起動、または誘発型能力に使用します。もみ消しが十分枚数ある状況でそのターン、または返しの次ターンに勝てるのならばその限りではありません。
⚫︎対戦相手が「目くらまし」を使用するデッキで、対戦相手の基本ではない土地を不毛の大地で破壊しようとしている時に、対戦相手がフェッチランドを起動したら注意してください。もみ消しをキャストすることで、不毛の大地で対象に取っている土地を目くらましにより手札に戻され、さらにはもみ消しも打ち消される危険性があります。

 今回はここまでで終わりにしたいと思います。
次回で「もみ消し」に関してのお話は最後にしたいと思います。
 次回は「もみ消し」を使う側から見て、やられると嫌なプレイングをお話しできたらと思います。ここで、先手、後手でのサイド後のお話もできたらと思います。
今回もお付き合いいただきありがとうございます。
なかむぅでした。

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