鍛え、成長し、君が世界を救え:「リングフィットアドベンチャー」プレイレビュー
リングフィットアドベンチャー(以下RFAと記述)のアドベンチャーモードをシナリオクリアしたので、区切りのいいところでレビューをします。
総プレイ時間(ゲーム内でエクササイズをした時間)58時間51分16秒。総消費カロリー 15575.09kcal(アドベンチャーのみ)。総走行距離(筆者はサイレントモードで実行)110.59km。走り切って戦った者のレビューをどうぞよろしくお願いします。
唯一無二の「手ごたえ」
アドベンチャーモードは、「世界を闇のオーラで包もうとしているドラゴを止めるべく、リングと共に世界を救う旅に出る」という物語です。ワールドマップは各コースごとに分かれ、コースを走破しながらそのワールドのボスを目指してゆく進行形式です。
RFAの最大の特徴は移動や戦闘などの、すべての行動がフィットネスになっているところです。コースを走るのも足踏み(もしくはスクワット)、道中に待ち受ける敵とのバトルはフィットネススキル、ついにはコマンド選択もリングコンの押し引きで出来るし、コースのゴールにたどり着いた時も毎回かがんでから腕を天につき上げるビクトリーポーズをします。
ゲームプレイ当初、私がこの点に気が付いた時は「すべての行動が運動に繋がっているあたり、フィットネスソフトとしてとても磨き上げている」と考えていました。しかし、アドベンチャーモードをクリアした今は、また別の感想が生まれています。「バトルで敵に勝ち、コースをクリアした時の達成感をこれほどに感じたゲームは初めてだ」というものです。
まるで自分がゲーム内のキャラクターになったような
私がこれまで遊んできたRPGは、手元のコントローラーを指先で操作してキャラクターを歩み進め、決定ボタンでコマンドを選択してバトルを繰り返し、経験値を貯めてレベルの数字を大きくして強くしてゆくものが多かったです。
RFAで実際に身体を動かして感じたことは、敵に対峙して自分の身体を使って技を繰り出すことの大変さです。一般的なゲームでは技を使用する時にスキルポイント等が割り振られていて使用回数に制限を設けていることが多いですが、RFAの場合はそれが自分自身の体力に相当します。「強力な技を使いたいけれど、自分の体力がまだ残っているかどうか心配する」のはRFAが初めてでした。
こちらは任天堂によるRFAのTVCMですが、バトル中はまさにこのガッキーと同じ感じ。バトルスキルの選択に一喜一憂し、敵が回復行動等をとると本気で嫌気がさし、敵の強力な技を迎え撃つために耐え忍ぶたびに「無理無理無理無理!!」と悲鳴を上げてしまうほどでした。他のゲームで自分が操作していたゲームキャラクターが行っていたことを、まさに自分自身の身体でその負担を感じるので、「俺はなんであんなに大変で残酷なことをボタン一つで軽々しく選んでたのか」と少し反省したほどです。
爽快感と成長
身体的にとてもキツいゲームプレイですが、その分ゴールに到達した時の爽快感は最高です。「やっとたどり着いた終わった!!」と思いながら全力でビクトリーポーズをすることの気持ちよさは他のゲームではなかなか味わえないと思います。
また実際にゲームプレイによって各種のフィットネスを行うことによって、自分自身の身体が成長してゆくことを何より強く感じます。ゲームキャラクターのレベルアップとプレイヤー自身の成長がガッツリ繋がっているため、トレーニングを繰り返し到達したレベルの数字をみて「俺はここまで強くなれたんだ」とワクワクすることができます。ゲームをプレイすることで、現実の自分の身体が鍛えられて生活のクォリティが上がってゆくことは、本当に嬉しいです。
ゲームをプレイしてトレーニングしてゆくことで、自分自身の身体がレベルアップされて強くなってゆき、その身体で新たな困難に立ち向かい、世界を救ってゆく。「操作キャラ=プレイヤー」だと強く感じるゲームだと私は思います。自分自身がゲームの世界に飛び込んで、自分自身が成長して、自分自身の手で世界を救ってゆくのは、また新しいVRの姿なのではないでしょうか。唯一無二の体験があり、さらにそれらも遊びやすいように丁寧に磨き上げられている。ぜひリングコンを手に取って、世界を救う旅に出ましょう。
追記
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たくさんのゲーム音楽演奏会に参加して、たくさんレポートを書いてゆく予定です。