Language Rescue Squad 【台にアニバーサリー】

ツコッハ夫人が、誇らしげに壇上に登った。
何ともレトロなマイクCLASSIC PROの前に立ち、一呼吸。
夫人は想う。
「こんな日が来るなんて。」

20年に及ぶ捜索の末、夫 ホマスカ・ツコッハ氏の無事が確認され、早10年。
氏は、その後も、数々の功績を積み上げてきた。
何より、ショートショートによる日本語の救済である。

壇上に置かれた大きな「台にアニバーサリー」装置の脇には、白骨化したスマホがいくつも飾られている。
氏がデータ内の日本語を正しいそれに置き換えたスマホたちである。
一つ一つが、夫人にとっても「アニバーサリー」であるに違いない。

「台にアニバーサリー」を！
「台にアニバーサリー」を！
観衆の興奮がいよいよ、頂点に達したようだ。

壇上の大きな画面に、「LRS」と書かれた旗を振るツコッハ氏が映し出された。
白骨化スマホマップ2020年代地域の言語環境もずいぶん改善されたようだ。
「白骨化スマホマップ2020年代地域」にショートショートを！
正しい言語だけを選りすぐったツコッハ氏の30年に及ぶ活動に栄光あれ！

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祝・二周年【毎週ショートショートnote】『ショートショート書いてみませんか？』お題発表！12/18｜たらはかに（田原にか）