昭和初期の印刷物(石版によるカラー印刷)
天保年間に紙の小売を始め、明治19年に活版印刷事業を始めた当社。
昔の印刷物を少し紹介させていただきます。
知多四国八十八か所納経帳
これは昭和11年に発行されたものなのでそれほど古くはありません。
線画のイラストがあるので印刷方法はおそらく石版印刷機。
版は石版(大理石)かジンク版(亜鉛版)か不明です。
知多四国八十八か所納経帳は、
明治時代の創業当初から発行を続けている超ロングセラー商品です。
この納経帳はイラストが入り少し変わり種ですが
おそらく派生バージョンでしょう。
明治時代からほとんど形を変えずに発行されている書籍はあまり例を見ないと思います。それを考えるととても貴重です。
醸造ラベル
知多地方は古くから醸造がとても盛んなエリア。
江戸時代後期には、世界に冠たる大都市「江戸」で、灘の酒と並ぶ人気を誇ったと言われています。
シェア拡大に貢献したのが、海運業。
当時大量に物を運ぶのは船しかなかったんですね。
半田市には海運で財を成した豪商が多かったようです。
ミツカンで有名な中埜家の本家も海運業だそうです。
当社では明治26年に導入した石版印刷機でラベルを印刷していました。いわゆるリトグラフです。独特の色合いが綺麗です。意匠デザインも弊社。今のようにPCのない時代、制作は面相筆だったようです。
実物は残念ながら残っていませんが、
さらに古い明治期の印刷物が国立国会図書館にデータとしてアーカイブされています。
次の機会に紹介させていただきます。