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100日目に破産する会社員 〜12日目 〜

「うおーっ!!あっーー!!」神倉は、カードをを少しずつめくりながら、何やら叫んでいた。いわゆるバカラの絞りである。

神倉と武田は、ラスベガスの日程も決まったので、ポーカー以外のギャンブルもやろうということで、メイドカジノにやってきたのである。

当然であるが、あくまでゲーセンの延長であり、チップ換金はできない。基本的にはメイドさんがディーラーをやってくれて、ゆるい感じの店である。

バカラでは、少しずつカードをめくるとカードの柄が変化すると言われており、絞りがやみつきになってしまっている愛好家がたくさんいる。ほんとに、左右から少しずつカードをめくって絶叫するのだ。

武田は、神倉のあまりにもハイテンションぶりに驚いた表情だったが、すぐに慣れたようだ。武田は、割と落ち着いており、他の客やメイドさんとの会話も楽しんでいるようだった。

その後、ルーレットや、ブラックジャック、クラップス等を一通り遊んだ。クラップスも相当面白く、ついつい絶叫してしまった。だか、チップは一度は3倍くらいまで増えたが、無くなってしまった。

もう一回絞りたくなってきたので、五千円でチップを買おうとしたら、武田が耳元でささやく。
「やめとけ、ここで、買ってもしょうがないだろ。その金はベガスで打ち込もうぜ」
だいぶ武田は冷静だった、その一声で正気に戻ることが出来たので、2000円だけチップを買うことにした。

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