消息からのあらすじ【Epi7-1】

「これはねえ、借用書みたいなものですから」
そう説明を受けた。
「これは約束手形なんだよ」
彼女はそう説明を受けていた。

綺麗なホテルのロビーだった。白昼堂々とそんな話が行われているなんて信じられないほどに、今５人の間には冷や汗が交わっている。

冷や汗が交わるというのは、互いに同じ空気を吸っていたからで、同じ穴のむじなであることを意味するのに手っ取り早いと思ったからそう表現した。
借用書であろうと約束手形であろうと、目的はひとつだったからだ。