見出し画像

山便り (19)

山道補修はこれで決まり

 山を買って手を入れ始めてから8年経つ。道を作るときに削られ、地肌が丸出しになっていた斜面も多様な植物が生え、ゼンマイや蕗も採れるようになった。道沿いに植えた木々もそれなりに大きくなり、全体に落ち着いてきた。

 こうなってくると、ますますこの地に愛着が湧き、一日も欠かさず来たくなる。ところが、これまでに何回も、来られない日々があった。台風や大雨で道が削られ、車が通れなくなるのである。砕石を入れても、すぐ流されてしまう。だから、大雨が降っても削られない道にするため、少しずつコンクリートを練って補修してきた。だが、コンクリートを練る作業は体力がいる。プラスチックのふねに砂利1.5袋、砂1袋、セメント半袋、水バケツ八分目を入れてかき混ぜても、一メートル四方に満たない。金も掛かる。そこで、安くつく方法として、骨材を砂、砂利の代わりに砕石(きりこみと呼ばれる石と粉状のものがまざったもの)を使うことにした。ところが混ぜるとき、砂、砂利ならサクッと入ったスコップが、砕石では入っていかないのである。そこでコンクリートミキサーを買うことにした。(上の写真右隅に写っている黄色のもの)

 このコンクリートミキサーは電動なので発電機が必要になる。コンクリートを打つ場所まで、この40Kgもある発電機(写真下左)を軽トラックに積んで運ばなければならない。軽トラの荷台に積むとき、ぎっくり腰になりそうで、15Kgのポータブル発電機(写真下右)を買った。

 さらに、体力を使わず、効率よくするため、ミキサーに砕石とセメントを入れて水無しで混ぜるだけにした。これをソリに乗せたふねで運び、道に撒き、かけやで軽く打った後、その上に水を撒く横着な方法にした。

 水を使わないと、ミキサーを回しているときに飛び散るコンクリート水滴が顔にかかることもなく、運搬時に軽く、坂道で斜めに傾いたときこぼれる事もなく、コンクリートミキサーが汚れず使い終えた後、ほとんど洗う必要もない(写真下左 ただし、砕石が濡れているときは汚れる)。

 心配なのは、そんな横着をしてきちんと固まるのかという点だが、それなりに固まっているのを確認している。ただ、手で触ってみただけのことで、強度については解らない。半年も経てば結論がでる。今は良い方法を考え出したものだと悦に入っている。当分はこの方法で楽をしながら、道の補修をはかどらせたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?