バンドを追いかけて気づいたこと
数年前からバンドの追っかけのようなことをしておりまして、ありがたいことに人生の調子が大変良いです。お金はありません。
わたしは中学の頃に友人の影響でアニメオタクになってからというもの、舞台やらラジオやら映画やら、あらゆるエンタメに首を突っ込んでは抜け出せなくなり、サブカル女としてここまで生きてきましたが、こと音楽に関してはかなりライトに楽しませていただいておりました。
学生時代に軽音楽部に所属したりはしていましたが、基本的に音楽はCDや音楽プレイヤーで聴くもので、そのCDもほとんどがレンタル。ライブを見に行くほど好きなアーティストというものがいなかったのです。
そんな中Kroiと出会い、音源では物足りない、生で体感することがどれだけ素晴らしいかを教えてもらい、どっぷりとハマってしまったのですが、それによって今までネットやテレビで見ていた特定のアーティストの「マニア」のような人が、そこまで特殊な人間というわけではないのだなということに気がつきました。
ライブに行くほどではないが曲が大好きで、アルバムを全部揃えて全曲聴いたりするバンドは今までにもいました。
しかしながら、
最初の吐息だけでイントロクイズに正解できる
どのアルバムの何曲目が何かを覚えている
何年のツアーのどの公演でどんなMCをしていたかを覚えている
曲のアレンジでいつ頃のライブ音源か答えられる
アルバムのシークレットトラックが歌える
このような人々は自分とは違う、かけ離れた存在であると感じていました。
ですが今のはわたしはこれらがたいしたことではないと感じる。最初の吐息で、曲前に軽く鳴らしたコードで次の曲がわかる。これは特殊能力なんかじゃなかったのだ。
ただ曲を聴くだけでは得られない「体験」による記憶というのはこんなにも強いのか。ライブに行くだけでこんなにも一曲一曲が脳に刻みこまれるとは知らなかった。