見出し画像

脱炭素社会における建築のあり方=新しいふるさと懐かしい未来

写真は、震災直後、東北の復興がどうあるべきか考えた絵

脱炭素社会では化石燃料ではなく、再生可能エネルギーを使うことが前提になる。住宅、建築分野ではなかなか水力、風力は現実的にむずかしそうだ。使うエネルギーは、太陽光発電、太陽熱温水器、バイオマス。

バイオマスは薪のことを指す。建物を木造で作ることが脱炭素社会で求められる。木材は二酸化炭素を固定化するものである。一方、鉄筋コンクリート造や鉄骨造は、セメントや鉄骨が作られるときのCO2排出が多い。従って、どんどん木造で建てていく必要がある。現にカナダやオーストラリア、ヨーロッパでは木造の高層建築が建てられ始めている。日本では1923年の関東大震災や1932年(昭和7年)の白木屋デパートの火災などをきっかけに、建物の不燃化が推し進められ、都市での木造はどんどんなくなっていったが、ここへ来ての木造建築の復権である。

日本の建設業は安価な海外からの輸入材を使い、国内の材木を使ってこなかった。そこへアメリカ、中国の需要が増えたことによるウッドショックが起こり、国産材への見直しが期待されている。ウクライナへのロシア侵攻なども考え、国際社会のあり方が変わる中、長期的な展望にたち、内需としての林業、製材業などは大きな可能性を秘めている。

地域にとっても、地域材を使い、地域の手で建築を立てることにより、地域な循環が生まれ、地域外への資本の流出(キャッシュアウト)が抑えられる。今まで、地域材の振興というと、ログハウスか伝統的な工法の家で建てようというキャンペーンが想起されるが正直住宅の消費者に受けるものではなかった。

木材以外の他の建材で温熱性能を確保し、太陽光発電をつみ、カーボンニュートラルなもの、そのもの自体の金額は高くなるが、普遍的な価値があり、住宅の価値の毀損がない家。今後そのようなものが出てくるだろう。実際の日本の住宅政策は全くの逆で、とにかくペラペラでもいいから大量に作り(住宅着工件数がを景気の指標となっている)、結果空き家が15%になってもまだ、建設によるインセンティブを与えている愚策が行われている。いくら、建てても幸せにならない仕組みを変える必要がある。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?