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なぜZEHやZEBが増えないのか。

エネルギー基本計画では、「当初2020年に公共建築物は平均でZEBにする」と言われていて、それが知らない間になし崩しになり、「2030年に公共建築物を平均でZEBにする。」となり、あり方検討会の議論で、国交省は「2030年に建物をZEH基準にする。」と言っている。このZEH基準は建物の外皮の性能が「等級4」よりも20%引きである。大したことない。エネルギー基本計画では、「日本のZEBはたったの1%である。」とまで書いていて、事実である。

なんで増えないのか。

簡単である。ローカルルールがすぎるからである。


そもそも、ZEHとかZEBとかのエネルギーの削減率が50%。再生可能エネルギーが50%と決めるのがおかしいのである。もっと減らすのは簡単で、断熱を増やせば良いのである。

また、それを計算するソフト、WEBPROがよくない。長野の制度を作るときに、「WEBPROにバイオマスが使えません。」と長野の建築士の方がぼやいていた。その時点でおかしい。なんで、脱炭素社会を目指しているのに、それが対応できないのか、ただの欠陥である。

次にその計算もおかしい。色々なオフィスなどの形態があるのに、平米当たりの人数が決まっていたりする。もちろんその設定はわかるが、東京の丸の内のオフィスと沖縄のワーケーションオフィスとは訳が違うのである。なぜ、一緒なの?

あと、出す書類がとてつもなく多そうなのが(怖くてやっていない)、わざわざ狭き門を作っている気がある。そうやって、認証するのを難しくして、その狭さに価値を見出している。

①ソフトがクローズドである。
②ソフトの融通性や進展性がない。
③組織が維持されるためのクローズドなシステムである。
なんか現場を知らない人がやってんだろうなあと想像してしまう。

これでは増えるはずがないのである。あ、これ蓄電池が高止まりしているのと同じです。もっと安くして広めようとするより、このくらいでいいだろうと思っている。(怠慢である。だめだなあと思う。) だから、クルマのバッテリーの値段に負けるのである。

まあ簡単にいうと現状がいいんです。そこそこ儲かるし、変なリスクを冒したくないというレベルである。すぐ先の実績的には、結構きついなか変なことをしないのが得策という考え方である。加えて、設計事務所やゼネコンから現行ルールの変更は言いづらい。

でも、待ってほしい。2030年、2050年はどうするの?というのが、私からの問いかけである。

そこから考えると、少しずつでも変えていかなくちゃと思う。でも、なかなかバックキャスティングができないんである、これが。

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