ガッシュが初めて時の最果て(別名【次元の狭間】)に来た頃、ハッシュは空間と一体化した状態で肉体は滅び、会話もままならない状態だった。

重力もなく、気温も存在せず、絶対0度(マイナス250度)に近かった。普通の人間なら即死する様な環境に、ハッシュはなんとか耐え意識だけは保っていた。
ガッシュ自身、その場に長居はできそうになかった。ハッシュの様に空間そのものに意識を移さないと、ハッシュと意思伝達するのは難しいだろう。
何十年という魔学研究から、今のハッシュを救うには一筋縄ではいかないと思ったガッシュはハッシュを救うのを保留し、タイムマシン開発に乗り出した。

ハッシュはガッシュが諦めた事を気配で悟った。
空間ハッシュとして使える術を研究した。
最果てから色々な時代へ繋がるゲートがあるのは判っていた。各ゲートは、互いにとてつもない距離が離れていた。もし人がそのゲートから来るならば死ぬだろう。でもゲート同士が互いにくっついていれば各時代が出入口として繋がり、人は死なないかもしれない。
空間ハッシュは魔力を使えば自身の形を変える事ができた。各時代のゲートが重なる様に空間の形を変える事で一応の対策になるが、これだと誰も最果てには来れず、一人ぼっちて寂しくなるだろう。

ハッシュは魔法でゲートを開けると、ハッシュ空間をねじ曲げねじ曲げ、空気が貯まる層を作った。あんまり大きな空間をゲート先と繋げていると、外の世界でブラックホールが発生したみたいにヤバイ事になるだろうから、2世帯住宅くらいのサイズにした。

空気は確保できたが、絶対0度と無重力の問題が残っていた。ガッシュが材料になるものを持ってきてくれさえすれば良いのだけど…


ほどなくして気の効いたガッシュが魔具を持ってきてくれた。気温と重力が手に入り、ついでに椅子や家具なども置かれた。
古代で使われていたテレパシー魔具を改良し、空間ハッシュはガッシュと対話が可能になった。

ガッシュとの相談で、人が来たとき、誰もいないとビックリするだろうという事で、シンボルとなりそうなスペッキオとハッシュっぽい老人形を置いた。人をビックリさせないように、腹話術の様に会話ができ、時の迷い子を案内することができる。


神を名乗るスペッキオは洒落が効いているだろう。古代人の自慢の魔術英才教育システムである。
近付いた人間の脳内に直接干渉し、眠った才能を開花させる。脳内世界で魔法の訓練が可能で魔法を派手にぶっぱなしても大丈夫。魔術のレベルが上がるとスペッキオの見た目も強そうに変わっていく。娯楽要素たっぷりにて、きっと時の迷子さん凄い力を手にしたことを喜ぶだろうな~