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FF7 ティファ、ミッドガルに来る前の話(一人称 二次創作)

再会した当初、魔晄中毒のような症状で意識か混濁していたクラウド、その副作用で記憶が曖昧になっているだけなのかもしれない。

いずれ全ての記憶を思い出してくれる日がくるもしれない。
そしたら確認してみよう。ニブルで私を助けに来ててくれた人がクラウド本人なのかどうかを

それとも単に似てただけ?
あの日クラウドは一体どこで何をしていたの?


回想



 セフィロスに斬られた直後にクラウドが助けに来たことを私は思い出していた。あれは夢や幻なんかではない、クラウドは確かに来てくれた。私は直ぐに意識を失っていたから、ほとんどは師匠のザンカンから聞いた話であるけど金髪の神羅兵(クラウドらしき人物)を魔晄炉で目撃したが既に死体だと思い放置して私だけを助けて下山したという。

治療を終えた私はクラウドの生死を確かめるべく、故郷の村へと戻ろうとした。しかしザンカンいわく、神羅は魔晄中毒により暴君と化したセフィロスの存在についてを隠蔽する可能性があるという。神羅にとって都合の悪い目撃者を口封じをするという黒い噂があり、実際ザンカンが私を抱えてニブルから遠くへ離れたのも、村に救援に来たはずの神羅兵から問答無用の攻撃を受けたからでー

私は回復もままならないままミッドガルに向かった。クラウドがもしも生きているならミッドガルに行けば会えるかもしれないと。神羅の本拠地であり、捕まる危険性はあるだろうけれど、神羅もまさか逃亡者がのこのこと自らの庭にいるとも思わない。逃げ続けるよりも、むしろその方が安全かもしれないとザンカンからのアドバイスを受けて、私はミッドガルへ向かった。

道中、携帯の電波が入り、クラウドを訪ねるべく神羅本社に電話をかけたりもしたが、会社側は所属する個人の情報は教えてくれなかった。

ミッドガルについた私はしばらく、神羅の関係者にクラウドについて聞き込みをした。けれど情報らしいものは得られず旅費も底をつき、私は仕事を求めて7番街スラムへとたどり着いた。7番外街を選んだのは神羅に敵対するアバランチが多くいるという噂を聞いたからで、もしかしたら私がニブルで体験したことを相談したら、一緒にクラウドを探してくれるかもしれない。と、そんな期待をしたのもある。

7番街ではアバランチの目撃の噂はあるけれど、実際は誰がアバランチのメンバーなのかは判らなかった。
アバランチは神羅にバレナイように身元を隠している。そんな隠れたアバランチを探すのはクラウドを探すことよりも難しいことだと、私は直ぐにその現実に気付いて、しばらくアバランチの事を忘れて、バーでの仕事に集中しはじめる。
バーを選んだのはお客さんからクラウドやアバランチ情報を聞き出せるかと思ったからであるけど…

 その後の三年間、色々あって私もアバランチのメンバーになる。クラウドは相変わらず見つからず、私自身、記憶からクラウドが薄れかけていて、もう彼のことを忘れるべきと思っていた矢先に突然再会する。
 クラウドは私の知るクラウドじゃなかった。見た目はクラウドだけれど、性格や話をする内容も私の知るクラウドよりかけはなれてて、当初クラウドに出会えて、どこまでも膨らんでいくような嬉しさの風船のようなものが、どんどんと萎んでいくような思いだった。

 私の知るクラウドでない彼について、神羅とは縁を切ったという彼の言葉についても信用することができないでいた。
 だからクラウドにニブルでの一件を聞くのも怖かった。もしもクラウドが神羅の手先であることを隠してアバランチに接触してきてるのだとすれば、私が神羅を恨んでいる一件は話す事はできない。

もしかしたらクラウドのお母さんはニブル事件で神羅に殺されている。だからクラウドが神羅を裏切ることは不自然ではないし、アバランチに入りたがる可能性がある。けれど、私の相対しているクラウドのような存在は神羅の恨みに取り付かれているような素振りもお母さんの話題をするような事もなく…

私はクラウドの前では、ニブル事件が起こる前、ずっと昔に故郷を捨てた女という設定で演技していた。
 そもそもクラウドとは幼なじみとして共に過ごした経験は少なく、思い出も記憶もあまりなかった。再会したクラウドにはカマをかけるように仲の良かった幼なじみなキャラを演じてみると、クラウドもまた私と幼馴染みで深い関係があるかような態度で接してきた。
 私とクラウドは幼なじみであるけど、互いに思い出話を語れるような話題はない。クラウドへの不信感はますます増していく。
 いっそ真実を聞いて確認するのが手っ取り早いと思った。でもそれをすることで目の前にいるクラウドが正体を表し、豹変して襲いかかってきたり、

でももしかしたら、クラウドは任務等で頭を打って記憶が一部欠落してて本物のクラウドであって神羅からは純粋にアバランチ捜索の任務を受けているだけかもしれない

いずれにせよ、真実を聞き出そうとすれば、目の前にいるクラウドが居なくなりそうで怖くてできなかった。

 クラウドが信用ならないことをアバランチに相談すると、アバランチメンバーは議論した後、クラウドを試す事にした。
 私がアバランチのメンバーでありバレットがリーダーである事をクラウドに打ち明けてクラウドの行動を徹底的に監視すること。ジェシーが小型のドローンを操作してクラウドを尾行し、神羅と内通していないかを徹底的に調べる。私はクラウドに魔晄炉破壊の任務を説明し報酬契約の取り決めをする。もしもクラウドに内通の疑惑がありそうなら、アバランチメンバーの総力をかけてクラウドを取り押さえ、拷問して神羅の内情を引き出す計画。
 しかしクラウドが神羅に内通している形跡はなかった。壱番魔晄炉破壊の任務を終えたクラウドはクールな態度で戻ってきた。

元ソルジャークラス1stであることを卑下しながら語るクラウドが、同じく1stだった村人を虐殺したセフィロスを軽蔑してくれているからだらとすれば、わたしは彼が本物クラウドであると信じれる。

アバランチに協力してくれたクラウドは少なくも神羅の手先ではない。
なら私が探していたクラウド本人そのものかもしれない。

そう思った直後クラウドは私との思い出、給水塔での出来事を話してくれた。
クラウドと私しか知らない想い出を語ってくれた彼は神羅が用意した単なるクラウドそっくりさんなんかではない。もはやは本物クラウドである。
私は確信し、嬉しくなる。

クラウドと再会した当初、魔晄中毒のような症状で意識か混濁していたクラウド、きっとその副作用で記憶が曖昧になっているだけなのかもしれない。もしかしたらいずれ全ての記憶を思い出してくれる。
その時には確認してみよう、ニブルで私を助けに来てくれた人がクラウド本人なのかどうかを
 もし本人ならあの日クラウドは一体どこで何をしていたのかを聞いてみよう。その後の私の知らない三年間のクラウドについても聞いてみよう。その時までは私の恋心は打ち明けずに隠していこうと思う。私達アバランチの目的に色恋感情はきっと邪魔になるだろうから…


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