13歳のルッカとフィオナのロボ


あらずじ

ロボがフィオナの森を作り終えて休止状態に入り、80年が経った頃、中学生のルッカが社会見学でフィオナの森にやってきた。


先生「今から400年前、この一帯は砂漠地帯だったそうですがここにいるロボット君が植樹活動した結果、今では緑豊かな土地になりました。

ルッカ「せんせい!400年も昔に自立歩行型のロボット技術があるとは思えないです。一体どうしてそんなとんでもな説が作られたのでしょうか? 私は現地の人が観光収入を増やす為の作り話だと思います。」

先生「たしかに、一理ありますね…。でもここが天然記念物指定されるずっと前からこのロボはそこにあって古い文献にもこの土地で生活しているロボの記述があるの。とても不思議な事だけれど大昔に今よりも進んだ機械技術があったみたいなの」

 ルッカの疑念は一層強まった。というのも父親のタバンもよくこれと同じ話をしていたからだ。母ララが脚を失った原因は父親。当時のルッカは自分に原因があるものと思いしばらく自分を責めていたが、よくよく考えてみたら自宅に危険な設備を造った父親が悪い。思春期のルッカは父親を敬う気持ちが無くなっていた。

 父の話なんてどうせ眉。実際にロボの現物が目の前にあるのだから確認してやろう。ルッカは父への対抗意識から夜こっそり施設に忍び込み、ロボを解体した。

 高度な技術であるAIの部分はブラックボックス化している。天才少女ルッカでも理解不能の中身だった。しかし一部は理解できた。現実的にロボットとしての駆動可能な構造があり、このロボが森林を生み出した可能性を否定しきれなかった。

 ルッカは好奇心に震えた。父親以上にできる発明家はいないと思っていたが、世の中にはもっと凄い発明家いたかもしれない。知らない誰かに魅力されたルッカは過去の文献を読み漁った。


 このロボとは断定できないものの、鉄で動く生物が戦場で戦ったという古い記録を見つけた。西暦1600年頃で当時の兵士が個人的に書き残した日誌をとある民家から見つけた。そこにはロボ以外にも特異な格好した3人の男女がガルディア防衛に貢献したという。

(戦場で一人は赤い髪の青年で、名前は不明か…でも赤い髪っていったらそうそういないなぁ。クロノくらいしか思い付かないけど、そういえばクロノってジナおばさんとは髪色似てないよな…。父方の血統…家系を辿っていったらこの時代の事もっと良く分かるかも)

1900年頃のクロノ祖先の日記を見つけたルッカ。当時流行っただろうスペイン風邪について不思議な事が書かれていた。

当時は伝染病としてはウイルスの概念は認知されていなかった。けれどクロノの先祖はまるでウイルスの概念を知っているかの様子だった。またワクチンについても不思議な記述を見つけた。そのワクチンの概念は現代のワクチン概念とは異なるもので、伝染性するワクチン機能を持っていて、一人に投与するだけで全人類に感染していくものだった。
その日記にはスペイン風邪の名称を独特な表現が使われていて、時代背景を考慮しないと何の事を示しているのか判らなかった。

更に調べていくとルッカは跳ねた。
クロノの祖先、1900年代以前のものから未知の言語が出てきた。どの国の言語にも属さない。

1800年より前の記録は出て来なかったが、クロノのルーツについて一層の疑問が強まっていくルッカだった。


あとがき

この世界線のルッカはテレポッドを開発しない。クロノ達は冒険に参加しないからラヴォスにより世界は滅ぶけれどそれで良しとする展開。

クロノの祖先は惑星ゼータ星人。という設定の小説がある。ゼータ人はラヴォスに滅ぼされて地球に避難してきた設定で、スペイン風邪がラヴォス由来のウイルスだと判明し、ゼータ星人の持っていた反作用性のウイルスを人々に感染させて事態を終息させていったという歴史になっている。