ルッカ逮捕

テレポットの周囲には非常線が貼られ、警察当局の厳重な警備体制か敷かれていた。人間が空間に引きずり込まれるという事故。一般人の通報により警察によるルッカへの事情聴取が始まろうとしていた。

ルッカは必死で言い訳をしていた。
「だから!あれは単なる事故じゃなくて新たなサイエンスの扉が開いたの!閉じたゲートを開いたたまにすればクロノもマールも助ける事が可能になるのよ!お願いだから、この手錠を外して!」

ルッカの緊急逮捕は全世界にセンセーショナルに報道されていた。新聞のキャッチコピーは【天才美少女発明家による人体実験!?】【ちやほやされたせいで、ついに危険な実験を強行!2名が犠牲になる】等々。テレビでは緊急特番が組まれ、こまでのルッカの華麗なる経歴と合わせて【幼馴染のCさんを度々実験台に使っていた】等とその非人道性が問われたりした。また父親であるタバンも自身の妻を障がい者にしてしまった過去が暴露され、親としての人格を疑われていた。

とはいえ政府はテレポート技術に関して非常に興味を持っていた。事故調査委員会を設置すると共に特例法によりルッカは保護観察付きにて釈放された。


「え?保護司さんも行くつもりなの?」

ゲートの先に何があるか判らない。ドローンで一応の安全性は確認したけれど、帰って来れなくなる可能性もある。

保護司は有無を言わさず付いてきた。


~トルースの裏山~


ゲートから出た直後、三体の敵に襲われた。

保護司の仕事は社会復帰をお手伝いする事。保護するのはあくまで社会に適応できるようサポートすることで戦う事ではない。


そもそも保護司はボランティア制であり国から給料が出るわけではない。命を賭けるのは余程の事情がある。



少しだけ時間をちょうだい!


に関して詳しい説明もないままルッカはゲートへと飛び込んだ。

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