ジュニアアスリートへ

  

目次

・先輩アスリートとして伝えられること


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 日本の歴史史上初、全中、インターハイが中止となりました。春のJOCジュニアオリンピック大会も中止となり、青春をここにかけていた子ども達、特にこの大会をもって別の道を進もうと考えていた子ども達にとってはやり場のない思いが渦巻いていることだと思います。
 
 OPENの全日本選手権は原則年齢制限がなく、ある一定の条件をクリアすればチャンスは等しく与えられます。しかし、学生時代のみに出場できる大会はそうではありません。

 その歳、その時しかチャンスは与えられず、まさしく青春と言われるそのイベントに、学生時代の全てをかけてきた子ども達もいるでしょう。

 他の子ども達と同じように遊んだり、放課後をプライベートで過ごすことなく朝も夜も学校の休みの日さえ練習に汗を流した子どもや、家族や仲間と衝突し涙を流し、それでも全国という目標に向かって自分を信じて進んできた子ども達もいるでしょう。
 
 チャンスは平等に与えられると思っていた常識さえ通用しなくなってしまった世の中で、先輩アスリートとして何が伝えられるのでしょか。


【先輩アスリートとして伝えられること】


 とにかく今は現実に向き合って欲しい。大会がなくなってしまった事実は変えられません。でも、今まで努力してきた想いや事実は存在します。そのエネルギーをまずは悔しさとして発散してください。家族や友達に話をするでも良い、一人泣くでも良い。思いっきり走って、泣いて。落ち込んでください。気丈に振る舞う必要は全くありません。気持ちはみんな同じです。

 世界の頂点に立つどんなに強いアスリートでも常に強いわけではなく、落ちる時はトコトン落ちてまた前を向きます。その振り幅をバネに次のステップに登っていくのです。

 今は長い人生の通過点です。一人でどんな辛い練習にも耐えたその想いや、仲間と一緒に苦楽を味わったその事実は色褪せない財産になります。10年後、20年後で振り返った時に必ず、あの時があったから今があると思えるようになります。それだけ全国大会に出るために努力した君達の過程は素晴らしいものだし、それを否定する人は誰もいないはずです。

 どうかここで腐らずに、一度思いっきり泣いて、悔しがった後にまた前を向いて欲しいです。まだ君たちの人生はスタートラインです。中学生は高校で、高校生は大学で、大学生は日本選手権で、無念にも引退する子はまた別のステージで。この悔しさが報われる日が必ず来きます。

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