医事課の業務改善物語(現在進行形)②1年前の失敗
これは医療機関の医事課改革を命じられた一人の業務改善職の物語です。
事実をベースにフィクションを織り交ぜて進行していきます。
そして、物語は現在進行形です。
グッドエンドか、バッドエンドか、まだ誰にもわかりません。
1年前の苦い経験
実は医事課改革、今回が初めてではありません。
1年前に改革に取り組み失敗してるのです。
その時の課題は
・業務が属人化して流れが滞っている
・ICT化されていない業務が多く残業が多く疲弊している
の2点が主にあり、人間関係もギスギスしていたように思います。
そこで、特に業務命令を受けたわけではないが、私にも何か出来る事があると思い、関わり始めました。
医事課さんも困ってはいるのですが、「どんな風に改善していきたいですか?」と聞いても、
「改善?急に言われても何を言っていいかわかりません」との返答だったので、改善するぞシートを作成し記入をお願いしたところ、皆さん思いの丈をぶつけてくれました。
それを私がエクセルにまとめ
「改善効果」と「かかる時間」を指標としたシートを準備し
短冊にして張り付けたのです。
すぐ出来て改善効果が高いものから取り掛かるといった計画です。
なにより私が嬉しかったのが、理想と目標の内容です。
辛い環境で仕事をしながらも、その根底ではコミュニケーションとチームワークを求めている事がはっきりわかったのです。
これを見て私の目は潤みました( ノД`)
しかし、私が勝手に感動した事など関係なく、冒頭伝えたようにこれは失敗に終わったのです。
ここから何も進まなかったのです。
何故か?
今思い返すと誰も本気ではなかったのです。
医事課は新しい職員が入職し、また人力でとりあえず業務をまわせる環境になってしまったこと。
私といえば、医事課自ら改善に乗り出すまで動かない待ちの姿勢とり、それを「医事課の自主性に任せたい」と、今考えれば言い訳のような思考で正当化し、また、やってあげているという驕りもあってか一向に具体的な動きにならなかったのです。
業務改善とは、「業務改善する人が主役になる」のではなく、「業務改善される人を主役にする」という事をいまだに忘れているのです。
他者に出会うという事は、自分の好みに合う人、自分に都合のよい人、自分の気に入る人に出会うことではない。それはただ自分に出会っているだけである。自分を拡大しているにすぎない。
助けを求めている人、傷ついた人、死にかけている人にどこまでも関わる事、これが他者に出会うということであり、責任を担うということである。
ヨーロッパ思想入門 (岩波ジュニア新書) 新書 岩田 靖夫 (著)から引用
あの時の自分にかけてあげたい言葉です。
そして恐らく、また忘れては思い出しを繰り返すでしょう…
続く…
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