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Implementing SAFeを受講してSPCを取得しました

受講のきっかけ

5月下旬にScaled Agile, Inc と弊社が共催した「Implementing SAFe®」トレーニングを受講しました。私自身アジャイルの実践はほぼ100%スクラムで行っていました。ですが、今後組織全体へのアジャイル適用を目指しリードできる人材になるために、大規模アジャイルフレームワークについて学んでおきたいと思っていました。
その中で弊社がScaled Agile, IncとSAFe Gold Partnerとしてパートナーシップを組んでいることもあり、SAFeについて理解を深め、今後の実践に備えることにしました。

トレーニングについて

詳しいトレーニングの内容は書くことができませんが、トレーニングは5日間毎日9:00 - 17:30の日程で行われました。
5日間で研修内容が前半後半に分かれていて、前半はWhat is SAFeの部分を自身がチェンジエージェントとして教える側の立場で学び、後半はSAFe Implementation Roadmapに従って、組織の中にどうSAFeを活用して取り入れていくかの段取りを学ぶ研修になっています。
5日間フルで行うトレーニングですが、内容のボリュームがとても多く、そしてテンポが速く、ついていくのがやっと(いやついていけていなかったかもしれない…)でした。それくらい内容が充実している研修でした。
この研修ではチームアクティビティが多く用意されており、他の企業の方とワークやディスカッションを通じて知識や経験を共有し合い、共に理解を深めることができます。
また、QA対応がとても親切だと感じました。私自身も何点か理解や解釈について確認する質問をさせていただきましたが、テキストベースで翌日には必ず回答されており、記憶が新鮮なうちに理解につなげることができました。テキストベースだけでなく、セクションごとにQAの時間も設けられており、丁寧に講師の方から説明していただけます。

「Implementing SAFe®」トレーニングをはじめ各種SAFeトレーニングを弊社では実施しております。

試験について

「Implementing SAFe®」トレーニングを受講すると「SPC(SAFe Practice Consultant)」の認定試験受講の権利を得られます。SPCはSAFeを実際に実践するにあたり、自らチェンジエージェントとして実践およびメンバーへの教育をすることができる資格となっています。
実は1度目の認定試験は不合格でした。全60問で80%の正答率が合格ラインとなっているのですが、私の初回の結果は78%という心が折れる結果でした…。
試験は正直難しいです。学習範囲が広いこともその理由の一つですが、ちょっとしたニュアンスの違いで覚えていると間違えやすい選択肢がいい感じに用意されていて、かなり頭を悩ませます。
1度目の受験はトレーニング終了後から30日以内に無料で受講できますが、再試験は別途受験料が掛かります。私は再試験を受講し、そちらで何とか合格することができました。
1度目の試験で合格するにはもっと網羅的に学習を進める必要があったなと痛感しました。認定試験前に模擬試験を何回でも受講することができるのですが、私はそちらをベースに学習を進めていましたが、模擬試験自体が毎回同じ問題ということもあり、網羅的な学習とは言えませんでした。
そのため、試験に1度で合格するためにはトレーニングで配布された資料の読み込みと理解と資料上の情報を補足するために公式サイトの情報がかなり有用なので、そちらも確認し学習することが必要だと思います。

SAFeを学習した感想

組織全体をアジャイルにするために非常によく考えられたフレームワークだと実感しました。
元々、SAFe Implementation RoadmapというSAFeを組織に実装していくためのロードマップが示されているのは認識していました。

SAFe Implementation Roadmap

驚いたのはこの各ステップごとに必要なガイド、そこで使うべきプラクティス、伝えたいメッセージがとても充実していたことでした。
このSAFeで紹介されるプラクティスやメッセージは、スクラムであろうと何であろうと、真にアジャイルになろうとする組織やチームに対して共通的なものであると実感しました。
スクラムでは自己管理型なチームを問われることもあり、この辺のプラクティスやガイドは自分たちで探し導き出していくものですが、SAFeではこれらが実践を進める上でステップごとに明確に伝えられているのは大きな強みであると感じました。
もちろん、SAFeもフレームワークであるため、組織に応じてフレームワーク以上の適用が求められることもあるとは思います。しかし、組織をアジャイルにするという高難易度のミッションに対してこれ以上ない心強いフレームワークであることは間違いないと感じました。

それでも組織をアジャイルにすることは簡単ではない

SAFeが組織をアジャイルに変革していく素晴らしいフレームワークだと実感できたと同時に、それでも組織をアジャイルにすることは簡単ではないことを改めて実感しました。
それはSAFeが不十分だと言っているのではなく、そもそも組織のあり方を組織ごと変えることはとてつもなく難しいことなのです。お手本通りにやったらアジャイルになるなんて簡単な話などある訳がありません。
何かを変えるには必ず多くのそして巨大な壁にぶつかります。実際、SAFeであってもロードマップ通りに進めていっても何度も何度も壁にぶつかるはずです。そしてそれはSAFeに限らず自分たちの組織や部門などをアジャイルに変えようとしてきたすべての人たちが共感することではないでしょうか。
このトレーニングの最終日に担当講師の方が最後に仰っていた言葉が非常に印象的でした。
「折れない心。読まない空気。」
何度も襲い掛かる大きな壁に心が折れそうになることは必ずあります。でもそこで折れてしまいやめてしまったら一生アジャイルに変えることなどできません。
そのために相手にどう思われようと強い気持ちで空気を読まず、変革を訴え続けることが必ず大事になってくるはずです。
そしてこれを一人でやろうとするととてつもなく大変なので、同じ志を持ち共に進めてくれる仲間を作ることが大事だなと改めて認識しました。
SAFeはアジャイルに組織を変えようとするすべての人たちの心強いフレームワークです。組織変革という大きなミッションに挑む人たちはぜひSAFeの実践を検討してみてはいかがでしょうか。




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