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2023名古屋・岐阜旅行(28) 岐阜かがみはら航空宇宙博物館(10) 三菱T-2 CCV研究機

2023年8月11日(金)
岐阜かがみはら航空宇宙博物館

「戦後の航空機開発」コーナー

三菱T-2 CCV研究機
T-2高等練習機の試作3号機を改造した研究機。1978年から防衛学技術研究部(現:防衛装備)で開発が進められ、1983年に名古屋飛行場で初飛行。以降、岐卓基地で技術研究やテストパイロット教育に用いられました。
CCV (Control Configured Vehicle)とは、航空機の安定性をコンピュータ制御で作り出す技術です。コンピュータが常に最適の飛行状態を維持することで、パイロットの負荷が軽減され、操縦性が著しく向上します。本機により収集されたデータは後のF-2支援戦闘機の開発に生かされました。


富士T-3 初等練習機
航空自衛隊のパイロットを教育するために、バイロットが初めて乗る初等練習機として、アメリカのビーチクラフトT-34メンターをもとに富士重工業(現:SUBARU)が改造開発しました。エンジンを225馬力から340馬力にバワーアップし、エンジンと連動する過給機(エンジンが吸入する空気の圧力を高めるしくみ)のはたらきによって、空気の薄い高々度での性能も大幅に向上させました。
試作機は1974年9月26日に宇都宮飛行場で初飛行。1982年までに50機が生産されました。


N-70シグナス
日本大学理工学部機械工学科航空専修コース(現航空宇宙工学科)と精密機械工学科が合同で、木村秀政教授の指導のもと1971年度(卒業研究は1970年度から)卒業研究「N70 モーターグライダーの設計・試作」として進められたもので、昭和46年(1971年)12月16日に太田飛行場(群馬県太田市:現在は株式会社SUBARU 大泉工場)にて初飛行、翌17日に報道陣を招いての公開初飛行となりました。
N-70シグナスは、自動車用水冷水平対向型エンジンをつけたモーターグライダーで、耐空類別、特殊航空機X(動力滑空機)を目指したわが国では初めての試みでした。製作にあたっては、グライダー製作の専門家の指導を受け、基礎計画から細部設計、風洞実験から飛行実験まですべて学生の手で行われました。
白地に青のストライプ、そして垂直尾翼に描かれたシグナスのシンボル(白鳥座)が描かれた機体は、公開飛行時、黄金色に色づいた地上に映えて本当に美しかったそうです。


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