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2023名古屋・岐阜旅行(30) 岐阜かがみはら航空宇宙博物館(12) ヘリコプターたち

2023年8月11日(金)
岐阜かがみはら航空宇宙博物館

「戦後の航空機開発」コーナー

ヘリコプターが6機展示されています。

川崎ベル式47G3B-KH4型ヘリコプター
川崎航空機工業(現:川崎重工業)がアメリカ・ベル社の47G3B型(3人乗り)を基にして、多用途性を増すためにキャビン、中央フレーム、燃料タンクなどを全面的に再設計し、1962(昭和37)年に完成させたヘリコプターです。通称"KH4”と呼ばれました。
改造後は4人乗りとなり航続距離も増大しました。警察、報道、農薬散布、人員輸送、物資輸送などに幅広く使用され、海外にも販売されました。
本機の改造開発を通して、多くのヘリコプター技術者が育ち、後のBK117ヘリコプターなどの開発の基礎となりました。

川崎KHR-1 リジッドローター実験ヘリコプター
川崎重工業が独自開発した板バネ式の無関節型ローター(リジッドローター)をKH4ヘリコブターに搭載した実験機です。無関節型ローターは構造がシンプルで整備も操縦もしやすいという優れた特性をもちます。
1968年の実験で安定した操機性が実証され、新ローターをベースにした新たなヘリコプターの開発が進められましたが、1973年に起こったオイルショックの影響で中止されました。しかし、ヘリコブターの心臓部であるローター・システムを開発した能力と実績は世界に認められ、その後のBK117の国際共同開発に大きく貢献することになりました。


川崎式BK117型ヘリコプター
川崎重工業がドイツのMBB社(現:エアバス・ヘリコプターズ)と共同開発した中型多用途へリコプター。日本では1979年に岐阜飛行場で初飛行しました。
複合材を多用した軽い機体と双発エンジン、無関節型ローターの採用などにより、高い安全性と安定した操縦性を実現しています。その後、多くの改良型が作られ、防、医療、音察など多くの分野で活躍しています。
展示機は元・試作3号機(日本側の飛行試験用初号機)で、ヘリコプターの自動操縦技術の研究開発に使用された実験機(BK117P5)です。


OH-6J 新型式ローターシステム実験機
防衛庁(現:防衛省)と川崎童工業が整備性と運動性の向上をねらって新たに開発した複合材ベアリングレス・ローター・システムの実験機です。OH-6J観測ヘリコプターをもとにして、その全関節型ローターを、複合材ベアリングレス・ハブと複合材ブレードからなる新しいローター・システムに取り換えて、飛行試験を行いました。
飛行試験は1990年から1992年にかけて岐阜基地で行われ、新型式ローター・システムの高い操縦性が確認されました。その成果はOH-1観測ヘリコプターのローター・システムとして実用化されました。


川崎 XOH-1 観測ヘリコプター実物大模型
自衛隊初の純国産ヘリコプターであるOH-1開発のために、実機試作に先だってつくられた木製の実物大模型(モックアップ)。これを使って、機体の外形や形状に問題は無いか、パイロットや整備員の観点から機体の使いやすさなどが確かめられ、改善すべき事項が実機の設計に反映されました。
OH-1は陸上自衛隊のOH-6観測ヘリコプターの後継機として、1992年から開発が進められ、1996年に試作1号機が岐阜基地で初飛行に成功しました。


BK117 防衛装備庁試験計測用へリコプター
このヘリコプターは防衛装備庁岐阜試験場にて使用されていました。防衛装備庁が研究開発した試作品のデータ収集用の計測機として使用されました。

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