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短い架空のお話

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短くて、奇妙な妄想にも似た架空のお話
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2016年10月の記事一覧

バス

僕以外には誰も乗客がいないバスの中。運転手のボソボソとした声が次の停車駅の到着を知らせる。次のバス停で一人の青年が乗車してきて、何故か広いバスの中で僕の隣に彼は座る。そしてこちらを向いてニコリと「僕は正常ですよ」と語りかけてくる。その言葉に違和感や矛盾を感じながら、僕は苦笑いを浮かべることしかできなかった。

僕は正常ですよ。
ぼくはせいじょうですよ。
ボクハセイジョウデスヨ。

「あなたは正常で

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