【コント台本】伝説の一局

松浦と申します。エムズというお笑いコンビで活動しています。
「ネタ帳グランプリ」に以下の台本で参加します。

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「伝説のー局」
  <登場人物>
    棋士A
    棋士B 

 将棋の対局中。とても集中している2人の棋士。棋士Aが一手指す

A  …
B  …

 棋士Bの手番。指を動かしながら戦略を組み立てている様子。棋士Aが何かに気づいたようなそぶりを見せる

A  …あれ?
B  …はい?
A  あ、いや…いや、そんなわけないか
B  どうしました?
A  なんでもありませんでした。すみません
B  ああ…

 再び考え出す棋士B

B  …違うな…こっちか…
A  …

 棋士Bが一手指す。次の手を考える棋士A。が、やがて再び何かに気づく

A   あれ…やっぱりそうか、やっぱりそうだ…
B   どうしました?
A   あ、えっと…
B   …?
A   あの、ちょっと、変なこと聞くんですけど…
B   はい…
A   僕の王将、あります…?
B   …ん?どういうことですか…?あるでしょうそりゃ…
A  ですよね。どこにありますかね…
B  王将でしょ?普通に…ん…あれ…?
A   …
B   えっと…え?
A   あれ…
B   え…いやいやいや、あはは
A   あはは、ねぇ、そんなねぇ
B   そんな…王将でしょ?
A   そうです
B   私の王がここにいますもんね
A   はい
B   あなたのは…
A   はい…
B   …
A   …
B   …ないっすね…
A   ないですよね…?
B   …え?…そんなことある?
A   いや…
B   え、え…え?
A   いや、うーん、

 何度も盤面を見直す2人

B   え、ちょ、え…ええ?あ、お?おぇ、え、え?
A   いや、えっと…
B   そんなことある!?え、そんなことあります!?
A   わかんないです!なんですかこれ!
B   なにこれ!どこ!王将どこ!?
A   ないんです…
B   え、ちょ、え、いや、も〜〜
A   お、落ち着いて
B   じゃあ私たちはこの時間何をしてたの?
A   わかんないです…
B   王を取るゲームで王がないなら、私は何を目指していたの? 何を組み立てていたの?
A   (棋士Bの動きを真似ながら)違うな…とか言ってましたね…
B   やめてくださいよ…!
A   …とりあえずわかることは、僕たちは共に、とても恥ずかしいです
B   本当に…!棋士ですよこれでも…!
A   でもどちらかといえば、攻めるべき王将がないことに気づかなかった方が、恥ずかしいでよすね
B   そこに優劣つけるのはやめましょうよ!せめてここは痛み分けでいきましょうよ…!
A   それはそうですねすみません。はい
B   これどうしましょうか…
A   とりあえず続けますか?
B   無理でしょそれは
A   でも、なんかやってたらひょっこり顔を出すかもしれませんし
B   そんな小動物じゃないんだから
A   私からですよね
B   ええ…
A   それでは…

 棋士Aが駒台から桂馬を指す

B   え…あれ?これ桂馬5つありません?
A   え?

 盤面をよく見る2人

B  1、2、3、4…
A  5…え、嘘…
B   あ、いや6!
A   え!
B   え…?

 自分の駒台を見る棋士B

B  あ、7、8…

 棋士Aの駒台を見る2人

AB  9、10、11、12、13、14、15、16、17…
A   …17!?桂馬17!?
B   何個持ってんすか桂馬!桂馬コレクターですかあなたは!
A   桂馬コレクターですか私は?え、え?
B   もう嫌だぁ!

 終

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