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超主観で日本語で出そうなD&D5eの本をランク分けしてみた

気がつけば12月のD&D第5版再発売まで2ヶ月を切り、少しずつD&Dの熱が高まりつつある(かもしれない)。

12月には基本ルールブックやザナサーの百科全書の再発売に加え、新たに「スターター・セット 竜たちの島ストームレック」や「デラックス・プレイ・ボックス」が発売される。

しかし、日本展開と言われてもちろんそこで終わるはずがない。
そこで、今から何を期待すべきなのか、次に日本語化されるのはどれなのか、私の見解をS,A,B,C,Dの5段階でまとめてみた。
当然タイトルは英語なので、一部はカッコ内に便宜上の名前を用意している。

拙い文章だが、D&Dを遊んでいる諸氏の助けになれば幸いである。

S:絶対出る

Tasha's Cauldron of Everything(ターシャ本)

系統:追加ルール
『ザナサーの百科全書』に続く大型ルールサプリメント。
キャラクター作成に関する新ルール、各メインクラスの選択ルール(レンジャーの大幅再編を含む)、サブクラス多数、同行者NPC用データに加え、その他DM向けのアレコレを収録。

下の新モルデンカイネン本と合わせてD&D5.1とも言うべき大幅なルール更新となり、先んじてウィザーズ管轄となっているヨーロッパ圏では既に発売されているためSランクとなった。

Mordenkainen Presents: Monsters of the Multiverse (新モルデンカイネン本)

系統:モンスターデータ
『ヴォーロのモンスター見聞録』『モルデンカイネンの敵対者大全』に収録されていた各種モンスターやプレイヤー種族の大半に加え、一部シナリオ本からもモンスターや種族が再編再録されている。
世界観を問わず汎用的に対応するためか、紙面の都合か、一部特定の神の神官のデータや、世界観や生態に関する解説などが削られているが、内容量で言えば抜群。
ターシャ本と並ぶSランク本と言える。

A: 可能性が高そう、人気が出そう、出てくれ

Curse of Strahd(ストラード)

系統:長編シナリオ

舞台は吸血鬼ストラード・ヴォン・ザロビッチが支配する領域。闇の世界に閉じ込められたプレイヤー達はストラードを討ち、領域の脱出を目指すこととなる。

本国発売時点で人気が高く、既にヨーロッパ圏の言語版も発売されているが、シナリオ本という性質上、優先度はターシャ本や新モルデンカイネン本より低くなるため、Aランクの評価とした。

Dragonlance: Shadow of the Dragon Queen(ドラゴンランス)

系統:長編シナリオ
D&Dのキャンペーンを発祥とするファンタジーの古典『ドラゴンランス』の世界観が5版に登場。
執筆時点では本国でも未発売のため詳細な内容は不明だが、ドラゴンランス自体は国内でも割と人気があったようなので、往年のファンへの話題性も含め、発売を期待したい。

Fizban's Treasury of Dragons(フィズバン本)

系統:主にDM向けデータや設定
ドラゴンに関するデータや解説を中心としたサプリメント。
シナリオの進行でパワーアップさせられる魔法のアイテムなども見どころ。

優先度の高いと思われるモンスターデータ系であることに加え、プレイヤー用の種族やサブクラスデータも少数ながら含まれているが、ドラゴンに的を絞った内容のため、新モルデンカイネン本よりは低い期待度のAランクとした。

Guildmaster's Guide to Ravnica(ラヴニカ)

系統:世界観設定
続くストリクスヘイヴンも含め、このランク付けにはMtGファンとしての個人的な願望が強い事をご容赦願いたい。

版元ウィザーズ・オブ・ザ・コーストを同じくするTCG『マジック:ザ・ギャザリング』(以下MtG)の数ある舞台設定のひとつ、「ラヴニカ」がD&Dに登場。
プレイヤーは雇われの冒険者などではなく都市を維持する10のギルドの一員という、一味違う冒険が楽しめる。

MtGは国内でも時折Twitterトレンドに出てくる程度には人気があり、MtG側でもD&Dとのコラボが始まったため、そういった意味でも期待がかかる。
放浪者ではなく立場の保証された組織の一員というテーマ性もある意味日本人が共感しやすいかもしれない。

Strixhaven: Curriculum of Chaos(ストリクスヘイヴン)

系統:世界観設定/中編シナリオ
同じくMtGより魔法の大学「ストリクスヘイヴン」が登場。プレイヤーは大学の生徒として学業を納めながら、大学を襲う事件に巻き込まれていく。

他のNPCとの友好度やテストの結果が能力に影響するなど、どことなく『ペルソナ』シリーズを思わせる要素も。

ラヴニカ同様、日本人の共感への期待も込めてAランクとした。

B:割とありそう

Mythic Odyssey of Theros(テーロス)

系統:世界観設定
同じくMtGよりギリシャ/ローマ神話をモデルとした「テーロス」の世界観が登場。プレイヤーは神々に選ばれた英雄として、神々の争いや世界を脅かす大怪物との戦いなどに巻き込まれていく。

特定の神への信心を反映するルールなど、絶対的な神々を中心に回る世界観という点で、他のMtG世界設定より日本ウケが悪いと考えBランクの評価。

The Wild Beyond the Witchlight(ウィッチライト)

系統:長編シナリオ
D&Dの世界観における妖精郷・フェイワイルドを取り上げた長編シナリオ。
プレイヤー達はかつてフェイワイルドのカーニバルで奪われた物、そして眠れる大妖精の謎と在り処を求め、妖精郷へと足を踏み入れることになる。

妖精郷が舞台というだけあって、おとぎ話のような雰囲気で、全編通して戦闘しない選択肢も強く想定されているという意欲作。
人によって意見が大きく分かれるイレギュラーな一冊のためBランクとした。

余談になるが、タイトルや表紙に登場する「ウィッチライト・カーニバル」は序盤の導入用のエリアで、本筋とはそこまで関係がない。日本語版が出るとすればより本筋の内容に忠実なタイトルになるかもしれない。

Van Richten's Guide to Ravenloft(レイヴンロフト)

系統:世界観設定
様々なジャンルのホラーをテーマとした小世界群「レイヴンロフト」を紹介する一冊。

キャラクター作成に関して種族やサブクラスも掲載されているが、ホラーというD&Dとしてはニッチなジャンルなので期待度Bとした。

Candlekeep Mysteries(キャンドルキープ)

系統:短編シナリオ集
城塞図書館・キャンドルキープを中心に、「謎」をテーマとした短編シナリオを多数収録。

短編シナリオ集はその性質上評価が難しく、どちらもBランクとした。

Journey Through the Radiant Citadel (レイディアント・シタデル)

系統:短編シナリオ/ミニ世界観集
世界の狭間に浮かぶ都市を中心に、エスニックな世界観の短編シナリオやロケーションを収録。

評価は上述の理由によりキャンドルキープ同様のBランク。

C:出ても出なくても驚かない

Icewind Dale: Rime of the Frostmaiden(アイスウィンド)

系統:長編シナリオ
舞台は北方の地、アイスウィンド・デイル。終わらない冬に苦しむ人々を救うため、プレイヤーは寒波の謎を追って氷原を旅することになる。

名目上長編シナリオではあるものの、各ロケーションの大筋での繋がりが薄く、プレイヤーが目的を見失いやすいなどの理由で低評価が散見される。
とはいえ、雪山や雪原地帯というユニークなロケーションや、降雪度合いを絡めたランダム遭遇ルールなど、注目すべきポイントはあるためCランクとした。

ちなみにホビージャパン時代に『アイスウィンド・デイル 凍てつく乙女の詩』として翻訳が発表されたものの、音沙汰がないままD&D日本発売権がウィザーズに移行したという経緯を持つ。お蔵入りになったと思われるが、再登場となればそれはそれで嬉しいサプライズかもしれない。

Spelljammer: Adventures in Space(スペルジャマー)

系統:世界観設定/中編シナリオ
次元を渡る宇宙船「スペルジャマー」を駆り世界の狭間を冒険するための設定が紹介されている。

ルール面も設定面も割と薄味らしく、熱心なファンからの評価は芳しくなかったが、世界観自体のケレン味は抜群で見どころがあるためCランクとした。

D:出なさそう、むしろ出たらビックリする

2019年までに出て個別に紹介していない各種シナリオ本

Hoard of the Dragon Queen, Rise of Tiamat, Out of the Abyss, Princes of the Apocalypse, Storm King's Thunder, Ghost of Saltmarshの6冊。

いずれもDMの負担が重すぎる、キャラクターの動機が薄いなどの理由で評価は芳しくなく、ホビージャパン時代に出なかったという事はお察しくださいと言うべきか。

Critical Role関係

海外でのD&D人気の火付け役となったセッション配信「Critical Role」オリジナル世界観で遊べるコラボ本、Explorer's Guide to Wildemount(世界観紹介)とCall of the Netherdeep(長編シナリオ)の2冊が出ている。

元々日本語訳もない英語のネット配信(あってもアマゾンプライムのアニメ化作品『ヴォクス・マキナの伝説』程度)なのでわざわざ日本語にする意味もないだろうし、世界観単体で見ても特別見どころはないだろうという事からDランクとなった(ファンの方が見ていたら申し訳ありません)。

E:出たら正気を疑う

Acquisitions Incorporated

系統:世界観(?)

冒険者専門企業傘下のフランチャイズとして事業を拡大させていく…らしい。正直自分でも内容をよくわかっていない。

元がネットやコンベンションを中心としたコンテンツとのコラボな上に、内容はオフィスコメディもののパロディという日本人からすれば頭の上にハテナが大量に出てしまう内容のため、特別にEランクとした(ファンの方がもし読んでいるなら本当に申し訳ありません)。

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