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絶対に放置してはいけない大腸がん

大腸の主な役割は、水分を吸収することです。
実は、大腸自体には栄養素の消化吸収作用はほとんどなく、小腸で消化吸収された食物の残りは、大腸で水分を吸い取られ、便となって排出されます。
大腸がんは、欧米化した食生活が一般化したことによって、増え続けているがんです。大腸がんは日本人が最もなりやすいがんの一つであり、部位別の罹患数では男女ともに第2位、 死亡者数では男性が第2位、女性が第1位となっています。(2021年時点) 
出典:がん情報サービスhttps://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

一方で、良性のポリープができてからがんになるまで数年かかることが多く、 早期発見できれば完治も期待できます。 今回は大腸がんについて知っておくべき知識を解説します。

1. 大腸ポリープと大腸がんの関係性

大腸の壁は外側から 「漿膜(しょうまく)、筋層、粘膜下層、粘膜層」に分類されます。そのうち粘膜層の一部がイボのように隆起したものが、大腸ポリープです。大腸がんの多くは、 良性の腫瘍性ポリープ=腺腫(腺腫)が時間をかけてがん化することで発症します。 そのため、良性腫瘍のうちに早期発見・早期治療を行うことが重要です。 

2.大腸ポリープや大腸がんの見つけ方 

簡便なスクリーニングとして便潜血検査があります。 
便潜血検査(2回法) により、 進行がんの90%以上、 早期がんの約50%、 腺腫などのポリープの約30%を見つけることができます。その結果、大腸がんの死亡率を約60%、 大腸がんになるリスクを46~80%下げることが報告されています。 便潜血検査で陽性となった場合は大腸内視鏡検査で詳しく調べます。 
 大腸ポリープ (および早期がん) は内視鏡で治療することが可能です。 ポリープの形状に応じて 「ポリペクトミー」、 「内視鏡的粘膜切除術 
(EMR)」、「内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD)」などが行われます。 

3. 大腸がんの治療・予防法

内視鏡で手術できない大腸がんには、外科的切除が第一選択の治療法になります。 最近ではお腹を大きく切らなくて済む 「腹腔鏡手術」 も部位によっては行われて います。ただし、大腸がんは肛門近くの直腸やS状結腸にできやすいため、肛門 が温存できない場合は人工肛門を作る必要があります。 
手術以外の治療としては、抗がん剤治療や放射線治療が行われることもあります。 
大腸がんを完全に防ぐ方法はありませんが、 発生リスクを高めてしまう危険因子 や、反対に発生リスクを下げる予防因子を知っておくことは大切です。
 

出典:日本消化器病学会HP https://www.jsge.or.jp/guideline/disease/cp_3.html#q8

まとめ

大腸がんは日本人に最も多いがんであり、 男性はおよそ11人にひとり、 女性はおよそ14人にひとりが、 一生のうちに「大腸がん」と診断されています。 一方で「最も対処しやすいがん」の一つです。
大腸がんは早期の段階では自覚症状がほとんどなく、進行して症状が出てはじめて大腸がんと判明することが多くなります。代表的な症状として、がんの発生部位によって症状は異なりますが、便に血が混じる(血便や下血)、便の表面に血液が付着する、貧血、便秘、腹痛などがあります。症状が出る前の早期発見が重要です。健康的な生活習慣 に気を付けるとともに、健康診断や人間ドックでスクリーニング検査を行い、早期発見・早期治療に努めましょう!


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