【超常現象編①】深夜のトン トン トン

この【超常現象編】は、釣りとは違ったショートコラムを紹介する章である。私は徒に年齢だけ取ってしまったが、その分釣り歴も数十年となる。そんな長い経験の中から、私が西日本を含む各地の釣り場であった不可思議な出来事を紹介したい。必ずしもオチや、説明できる原因は無く、また科学的な分析考察もない。「バカじゃね」程度の暇つぶしの読み物としてご覧くだされば幸甚である。では、、はじめていきたいと思う。

2001年か2002年5月、私は京都の丹後半島に居た。単独釣行である。当時この辺りの遠浅のビーチでは、夜間に超遠投で超大型のマダイやスズキが多く上がっていた。毎年、4月末から5月中旬までの数週間、これらの魚が沸くようであった。行けば誰かいるだろうと思って参上したが私一人であった。

車を止め、茂った草むらを少し過ぎて浜に出て釣り座を設け、一人用のテントも設営した。夕方はサーファーが多かったが、夜になると誰も居なくなり気温も低下した。日本海は干満による水深の差がほぼない。また水深が浅いと気温の影響も受けやすく、厳しい釣りが予想された。

冷たく澄み切った星夜である。スマホもない時代であり携帯用ラジオを付けると、延々と乱数を伝え続ける放送や理解不能な言語で淡々と感情なく話し続ける放送ばかり。日本語の放送が無く逆に恐ろしくなってきた。沖合に船もなく光はヘッドライトのみである。当時は単3電池4本で点灯時間は極度に短く、常時点灯などできないもので、常に真っ暗であった。

底うねりがあるようで、PEラインがパーマ状態で上がってくるようになった。また猛烈に冷えてきた。半分諦めモードとなり、夜半過ぎに餌を付け放置しテントで休むことにした。寝袋に入り不覚にも熟睡してしまう。

少し経ったとき、テントを トン・トン・トン と数度叩く音がする。一気に目が覚める。明らかに風などの自然現象ではなく、3回は何か意志をもった行為である可能性が高いと言える。サーッと血の気が引き、確か浜には誰もいなかったはずであり、ここは丹後半島〇〇〇浜で、時間は3時と色々考えがめぐる。なんだろなんだろ、もうやめてくれ ・・・・と、色々恐怖におののきながら、4時まで寝袋にこもっていた。

次第にあたりが薄暮の感じとなり、明るくなると勇気百倍となり、テントの外へ出た。周りを細かく見まわしたが足跡や木の枝などの音が出るもの等もなかった。

何だ気のせいだったのかと、トイレをしようと数メートル背後の草むらに向かった。そこで草をかき分けると、何か人工的な石のようなものがある。よく見るとなんと苔が生えた墓石であった。それも結構な数である。この埋もれた墓の前で夜を過ごしたのか・・・・と唖然とした。

それ以降、釣り場を構えるときは周辺をチェックするようにしている。


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