夢の日記29

いとこの葬式。

いとこが死ぬらしい。
死ぬらしい、というのは、それが予定された死だからである。なんか重い病気を患っており、〇月〇日に安楽死すると決まっていて、お別れ会&葬式をやるらしい。自宅で。
春だしお庭でパーティーしよう、ということになり、庭にテーブルを出してお茶やお酒、軽食などを用意する。いとこは会場の真ん中の大きな椅子に座って、みんな立食形式で歓談しながら飲食を楽しむ。

私はスタッフで、みんなが楽しんでる庭に、2階のベランダからベランダに溜まった雪を少しずつ散らして「春なのに雪が降ってる」演出をする係である。
ワイワイ楽しむ人の上に、少しずつ雪を降らせる。春なのに雪。明るい日差しにちらちら舞って、いろんな春の花の上に落ちていく。フリージア、ヒヤシンス、ムスカリ、つつじ、雪柳、コデマリ、山吹、モッコウバラ、それから大きなピンクの牡丹。不思議な光景だ。

やがてお別れの時間がきて、いとこは奥さん(現実ではいとこは独身で猫を3匹飼っている)と一緒に家の中に入り、ベッドに横たわる。そこで苦しまずに死ねる薬を服用し、亡くなる。部屋のなかではずっと、ドヴォルザークの「新世界より」の「家路」が流れている。

とおき山に日は落ちて 星は空を散りばめぬ

スーパーの閉店みたいな雰囲気の中、いとこは死んだ。

医師が死亡を確認すると、棺が庭に運び出されて、お別れ会になる。私は再びスコップを持って2階にあがる。防腐のために棺にいれる雪を落とすためだ。
2階のベランダに溜まった雪を、スコップでおろす。庭の弔問客が落ちてきた雪をめいめいお茶碗で受け取る。これは普段自分が家で使ってるお茶碗を持ってくる習わしらしい。そしてお茶碗の雪を一人ずつ棺にいれていく。
棺がいっぱいになったら、みんなでかついで近所の墓地に持っていく。運び手でない人たちは空の茶碗を手に持って、歌いながらついていく。その葬列に、通りがかりの人や近所の人が投げ銭をよこす。お茶碗にお金やお菓子を入れていくのだ。なんかご利益があるらしい。

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