この地なんの地そのいち。

 気になる地。

 変わった地名を探すのが好きだ。特に小字(こあざ)。聞いたところによると大字(おおあざ)というのは町だとか村だとか、行政上の区画からできたくくりであり、対する小字は主に農地だとか山だとか、昔の人々が生活上呼んできた名前がそのまま移行してきたものらしく、古くから呼び習わされてきた名前がわりとそのまま残っているらしい(all伝聞)。
  なお小字とは、〇〇県★★市●●△△236、とかの△△部分のことである。単に「字」といわれることがある。甲、乙、丙とか、場合によっては数字そのものだったりするが、地域によっては「一本松」「観音堂」「坂ノ上」だとか、当時そこにあった自然や建物、地形がそのまま継承されている場所も多い。
  その中でも最近ちょっと気になってる地名に「シウ神山」というものがある。なんか字面からして民俗っぽいムードが満点である。シウ神ってなんなん。シウ神の山とは、シシ神の森的なものだろうか。
  その場所は福島県の海に近い場所にある。福島県楢葉町大字山田浜字シウ神山。JR常磐線木戸駅の南東のエリアであり、線路沿いから海の近くまで。Jヴィレッジのすぐ近くで、公営団地などもあるらしい。この辺は東日本大震災の後、数年間、避難区域に指定されていた。もしかしたら津波の被害を受けた後復旧が進まず、昔の姿は失われているかもしれない。
  まぁそれはともかく、シウ神山の由来が知りたい。Googleで検索しても地名以外は出てこないし、本当にシウ神山なのか(シウ、に該当する漢字があるのか。シュウ、ショウなどの小文字が略されてシウ表記になってるのでは?)なども気になる。
  検索でめぼしい情報が出てこなかったので、ひとまずGoogleマップで域内に神社とか無いかを調べる。名前が神社関連なので、そこからつけられたのでは、と当たりをつけたのだ。が、無い。次はストリートビューに切り替えて、主要な道路沿いに神社とかが無いかを見てみる。神社は無い。仏閣もない。
  ……が、墓地はあった。小字のシウ神山から少し外れてはいるものの、2013年7月のストリートビューでは、墓地の入り口の門柱のようなものに「宗神山」「泉明院墓地」とある。

https://www.google.com/maps/@37.248712,141.011227,3a,43.5y,283.59h,78.61t/data=!3m6!1e1!3m4!1spQvJMchY6GkKRnNke9JgJA!2e0!7i13312!8i6656?entry=ttu

 なお、2015年9月の段階では門柱の文字がリニューアルされ、「宗祥山」「泉明院墓地」となっており、もはやシウ神山ではなくなっている。が、ここは昔の石柱どおり、「宗神山」の表記だと思って良さそうだ。
ちなみに泉明院という寺院が周囲に無いか検索したが、存在せず。
  でも、宗神って何?字義どおりに読めば宗教の宗なので神様を祀っている、ということか。宗には宗家とか、首長やまとめる者、の意味もあるけど、神をまとめる者の山、だと地位がブチ上がりすぎてどうかな??と思う。
  もしくは宗神神社みたいなシリーズがあって、その分社のどれか、とか。

いちおう「宗神社」はhttps://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E7%A5%9E%E7%A4%BE

存在するみたいだけどかなり遠方(京都)だし、こんな飛び地にまだ分社がありそうな規模ではないため、分社説は薄いかなぁ…


 と、インターネットでぱぱっと手軽に調べられるのはこの辺までかな。シウ神山、シウ神の正体はわからなかったけど、宗神ではありそう、っていうところまでは一歩、進んだかな。というところで、今回はおしまい、おしまい。

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