2017年7月3日 / 締め切りについて

6月30日,7月1日,2日は,三日連続で欠番.体調が悪かったとはいえ,こんなに note 書いてなかったっけ?という感じ.

まだ咳と鼻水が出ますが,熱もないし,今度こそ8割方完治したかな.そう信じたい….

3日月曜は,締め切りが2件あった.月曜締め切りというのはなあ,と思うところがあったので,ちょっとだけ書いてみたい.twitter では以前ネタにしたんだけど.note では書いたかな? まあ何度同じようなネタを書いてもいいでしょう笑.

たとえば,論文投稿締め切りを例にしましょう.この締め切り一つとっても,開催者側と論文投稿者側で,さまざまな心理的駆け引きがあります.

まず,Call for Papers (CFP, 論文募集通知とでも訳しておきます) に記載された論文投稿締め切り (いわゆるデッドライン) が,基本的な締め切り日です.これを,表(おもて)の締め切りということにします.

で,今はもうそんなことはありませんが,この「時間」をどう解釈するか,そこからもめるんですね.たとえば,その時間は,UTC (協定世界時間) なのか,JST (日本標準時) なのか,とか.これで,時差が結構なことになったりしますので,今の CFP では,どこの国の標準時間であるかを指定しないことは,まずありえません.

それと大事なのが,デッドラインの曜日です.たとえば締め切りが金曜日だとすると,基本的にはウィークデーで考えますから,土日は頑張って論文を書いたり修正したりして,月曜午前中までに出せばオッケーよ,というのが,開催者と論文投稿者の暗黙の合意になります笑.いや,この日程の差はほんとに大きいのですよ….

一方で,締め切りが月曜日だったりすると,そんな暗黙の延長は許さんという,開催者の強い意志が投稿者側にも暗黙に了解されます.この場合,投稿者はひーひー言いながらも締め切りに間に合わせようとするわけです.

日程だけでもこれだけの駆け引きがあります.で,昔は FedEx とか DHL で紙の論文を発送したこともあったそうで,それはいろんな駆け引きがあったそうですが,省略します.

ようやく話をもとにもどすと,ハイレベルな国際会議であれば,黙ってても論文が集まるので,開催者側が大変高圧的です.締め切り延長のお願いなんかは大抵鼻にもかけてもらえません.

ところがそれ以外の普通の国際会議は,できるだけ論文が投稿されたほうがいいものですから,(最近でもないですが,とにかく国際会議の数が多いので)たいていは論文締め切りを延長します.しかし,出版スケジュールがあるので,もう再延長はしないよ,という意味で,solid / rigid / firm deadline だよと強調します.しかし,投稿者は,そんな文言を真に受けることはありません笑.

というのは,そのいわゆる solid deadline を過ぎたとしても,開催者側に泣きつけば(ふりをすれば),まだ数日は待ってくれることが多いからです.このあたりが裏の締め切りですね笑.

ただし,この時期になれば,さすがに断られることも多いです.なので,ギャンブル要素が強く,私の言ってることは真に受けないようにしてくださいね.

さらに言えば,それから出版社に指定された,スケジュールを考えれば開催者にもどうしても動させない締め切りがあり,それは真の締め切りと言われます.

つまり,締め切り一つとっても,表,裏,真の締め切りといった種類が最低でもあるわけです.さらに,出版社としても,マージンを取っているので,実は真の裏の締め切りというのがあったりなかったり…とかいうのはもうやめておきます.

まあ,投稿締め切り一つとっても,関係者以外はなかなか知られていない面白いところはいろいろとあります.もちろん,それ以降のスケジュールでも,査読者との駆け引きとか,いろいろと面白いところがあります.これも,覚えていたら,そのうち note に書くでしょう.

それと,こういうのは業界とか学会によっても違うので,あまり私の言うことは信じないでくださいね笑.



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