2019年10月5日 / 情報の信頼性とバルザック

こういうツイートがあった:

Wikipedia に限らず、ネットでは真偽不明の情報があふれていて、信用ができない。

かといって、本ならば信頼できるかというと、必ずしもそうではない。ちょうど今日、こんな記事があった:

それでも、一般論として、ネットよりは書籍のほうが、(著者や出版社にもよるが)信頼性は高いけれども。

それで思い出したのだが、以前、バルザックの言葉について、ちょっと調べたことがあった。具体的には、以下のような言葉である:

“Solitude is fine but you need someone to tell that solitude is fine.”
- Honoré de Balzac

もとの言葉はもちろんフランス語であろうが、それは今回本質的ではないので、おいておく。

それで、上記の言葉は有名らしく、これを引用したサイトは、日本語でも英語でも数多くある。しかし、どれもその出典を書いていない。どうせネットの情報を何も考えずにコピペしたんだろう。

しかし、この言葉はどうも記憶にはない。気になったので、手持ちのバルザックの小説(5, 6冊くらい)をざっと調べてみたのだが、見つからない。

そんな中で、いろいろ調べているうちに、ようやく以下の情報を発見した:

それによれば、上記の言葉は、バルザックはバルザックでも、日本人も良く知ってる Honoré de Balzac ではなく、Jean-Louis Guez de Balzac の言葉だったということだ。バルザック違いで、別人である。misattribution だったというオチである。

もちろんネットの情報であるから、上記 Wikiquote の情報も、誤りである可能性はある。しかし、おそらく正しい情報であると思っている。

この手の誤りは、私の知ってる限りでも、他にもいろいろある。しかし、もう書くのが面倒になったので、また暇があるときにでも書いてみたい。結論としては、ネットの情報(本もそうだが)を鵜呑みにするなということだ。


(参考)以前書いた note:


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