呉座勇一と国際日本文化研究センター(その1)

私は今年の3、4月に記事「呉座界隈問題と私のTwitter夜逃げ」5本(含む「反応への応答」)を連載した。
実は当初から「まだまだ書きたいことがあるけど、これ以上は日文研から呉座への処分が確定するまで待とう」と思っていた。
そしてその処分がどうやら確定したようなので、当初から書くつもりだったことを書いていくことにする。

機関研究員

呉座勇一が、今月(2021年10月)付で国際日本文化研究センター(日文研)の助教(専任教員)から機関研究員になった。

https://research.nichibun.ac.jp/pc1/ja/researcher/staff/s377/

呉座が5年前の2016年10月から助教になったのは卓越研究員事業によるもので、テニュアトラック期間は通常5年間である。
そのため、テニュア審査を通過しなかったものと推測される。

日文研は機関研究員の待遇などについて、「4-16 国際日本文化研究センター機関研究員取扱要項」(平成27年3月19日 改正)で規定している。
この人事については、いろいろと解釈できるだろう。
日文研は呉座を手放すつもりなどなく、少しの間だけ機関研究員にして頭を冷やさせ、来春くらいに任期なし准教授として抜擢するつもりだろう、とか。
または真逆に、日文研は呉座をさっさと追放したいけれど、呉座が2022年3月末までの某科研費(基盤研究B)で研究分担者となっているため、それまでは追放できず仕方なく残留させているだけだ、とか。
もちろん、それらのどちらでもない解釈も有り得るだろう。

「適切な対処」

日文研は今年3月24日付の「国際日本文化研究センター教員の不適切発言について」で、こう表明していた。

所長および副所長が当該教員に厳重な注意を行い、傷つけられた方々に対し誠実に謝罪するよう厳しく指導いたしました。
〔…〕
今後、引き続き経緯を精査し規則等に照らし適切な対処を行います。

とりあえず呉座に厳重注意したが、今後とも調査して適切に対処する、と。

当時から、日文研が呉座をどう処遇するかについては臆測が飛び交っていた。
一方で「当然テニュア審査通過なんて有り得ないだろう」という声もあれば、他方で「どうせ形だけの手緩い処分で済まされるだろう」という声もあった。
ただし私は、「どっちに転ぶか分からないけど、追加処分は意外と厳しいものになるんじゃないか」と思っていた(これについては後日、別の記事で書く予定)。

そう思っていたところ、前述のように呉座は今月付で機関研究員となり、日文研は今日(10月15日)付で「国際日本文化研究センター研究教育職員に対する懲戒処分等について」を公表した。
この声明についても思うところはあるが、やはり後日、ここではなく別の記事で書くことにする。

なお、この声明のURLは
https://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2021/10/15/s001/
であり、これと関連するらしい「国際日本文化研究センター人権宣言」なるものが連番の
https://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2021/10/15/s002/
というURLで公表されたようだが、すぐに削除されたらしく、現在では僅かな佚文しか見られない。

(2021年10月18日15時ごろ追記)

「国際日本文化研究センター人権宣言」は2021年10月18日付で、別のURL
https://topics.nichibun.ac.jp/pc1/ja/sheet/2021/10/18/s001/
で公表された。

(追記ここまで)

謝罪の有無

この記事の読者で、「結局のところ呉座から森への謝罪はあったのか」と疑問に思う人がいるかも知れない。
もしいるならば、言っては悪いけれど、それは愚問というものだ。

私は3月の記事「呉座界隈問題と私のTwitter夜逃げ(その1)」で

呉座たちを含めた誰からも謝罪メールなどを受け取りたくない。
もし呉座から私への謝罪メールなどがあれば、それを追加(2次どころでない)加害と解釈して日文研に抗議するつもりでいる。

と明記していた。
そして私の知る限り、呉座は私への謝罪文を公表していない。
なので疑問への答えは、「呉座は私に謝罪していない」となる。

記事「呉座界隈問題と私のTwitter夜逃げ(その1)」でああ書いた理由は、呉座たちからの水面下での接触を禁じたかったからだ。
3月20日、呉座は鍵垢のままTWしてそのスクショを拡散させるという前代未聞の方法で北村紗衣氏に謝罪した。

(謝罪スクショ以下略)

その後、呉座がヒ垢を解錠すると、誹謗中傷の対象となっていたのは北村氏だけでなかったことが露見する。
ystk(@lawkus)氏の反応がこれ。

ystk氏は呉座から謝罪DMを受け取って、それで水に流すことにしたらしい。
被害者本人が納得したのであれば、部外者である私から言うことは何もない。

ただし、北守(@hokusyu82)氏の反応はこれ。

北守氏と理由は違うが、私も呉座の対応はどうかしていると思った。
誹謗中傷する時は本人に伝わらないようにし、謝罪する時は本人にだけ伝わるようにするってどういうことだよ、と。

ただし誤解のないように言っておくと、私は当初から一度も「呉座から謝罪されたい」とも「謝罪されたくない」とも言っていない。
前述のように、メールなどで水面下で謝罪されたくないというだけだ。
なので、呉座が私への謝罪文を公表しないのは、あくまで呉座がそうする必要を感じていないからというだけだ
謝罪文の公表を私によって禁じられているなどということはない。

そもそも、呉座が私に謝罪する必要なんてものは必ずしも自明でない。
もし呉座が今も「森新之介はバカにされて当然のバカだ」と思っているのであれば、その思いは尊重されるべきなのかも知れない。
私は他人に無理強いすることが嫌いだし、無理強いしてされる謝罪に意味があるとも思っていない。

なお、呉座は解錠後に前述の北守氏に公開謝罪TWしたが、その公開謝罪TWも翌4月の垢消しで消滅してしまい、今では魚拓が残るのみだ。
また、呉座が北村氏と代理人を介して行った交渉が決着したらしく、7月19日付で呉座の正式な謝罪文がHatena Blogで公表された。
厳密に言うと、「北村紗衣様への謝罪文」というPDFファイル(日付くらい入れたらどうなんだ)がGoogleドライブで公表され、そのURLがHatena Blog魚拓)で公表された。

しかし、そのHatena Blogの記事も何故か翌8月には削除された。
もし北村氏がこれに異存ないのであれば、部外者である私から言うことは何もないけれど、それでも呉座に真摯な謝罪を期待することがより空しくはなった。

訴訟意思の有無

3月に記事「呉座界隈問題と私のTwitter夜逃げ(その1)」を公表した直後、Googleフォームにこういう反応があった。

差し出がましいですが、これだけ呉座氏から誹謗中傷された証拠があるのであれば、〔…〕弁護士に相談の上で訴訟を検討されてもよろしいのではないでしょうか。

実は私は、当初から一貫して呉座を訴える気がない
今後とも、よほど予想外のことが起こらなければ訴えたりしないだろう。

私の毀損された名誉を慰藉料に換算して、そこから弁護士費用などを差し引いたら黒字になるかどうかも怪しくなる。
長い長い時間も消費するだろう。

そんなことをするよりも、現状のままにしておいた方がよいのでないかと思っている。
つまり、呉座勇一は鍵垢で森新之介のことを「本当にバカだね」「馬鹿」「バカ」「クズ」「本当に卑劣だよな」「バカ」などと何度も誹謗中傷揶揄罵倒し、その証拠もきっちり保全されているのに、呉座は全く謝らず森は全く報われませんでした、という結果になった方がこの業界の腐りっぷりや救われなさがより明白になり、今後の人文学のためになるのでないだろうか。
呉座が今後とも有識者面して講演活動などで金を稼ぎ、私が今後とも貧窮して餓死したりするとなおのことよいだろう。

なお、当たり前のことではあるが、私への謝罪文を公表する自由が呉座にあるように、その謝罪文に問題があればダメ出し文を公表する自由が私にもある。
謝罪された者は必ずそれを受け容れなければならない、なんて道理はない。
もちろん、私のダメ出し文に問題があれば抗議文を公表する自由も呉座にある。

反省と抱負

急遽執筆したので、今回はあまり中身のある記事にならなかった。
次回以降はもう少しマシなものにしたいと思っている。

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多分、送信された内容すべてに目を通すことはないでしょうが。

最後まで読んでくださりありがとうございました。