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ペーパーレス化(1)

 CO2削減のために、ペーパーレス化を宣言する企業や個人が増えています。
特に顕著だったのが、今年のお正月でして・・・
多くの方々から、次以降、ペーパーレス化の取り組みの一環として年賀状や暑中見舞いを廃止するという連絡がありました。

う~ん・・・

と、思いました。

CO2削減問題上、重視されるのは森林破壊です。

この森林破壊をもたらすものとして、

  • 紙としての使用

  • 燃料としての使用

  • 農地(焼き畑)としての使用

  • 建築資材としての使用

の4つが挙げられます。

ペーパーレス化を推奨するものとして、下記のサイトは良く出来ていると思います。

一方、必ずしも環境負荷低減になるわけではないというお話をしているのが、下記になります。

日本人は一人当たり年間で約200kgの紙を使用しているという風に数値が出されています。
A4の紙1枚で4gですから、1万枚で40kg。
5万枚で200kgとなります。
日本人は、一人当たり年間で5万枚も紙を消費しているということなのですが・・・

う~ん・・・そんなに使ってるかなあ???
と、疑問が。

ウチの会社は7人います。
単純計算で35万枚。
一年250日勤務として一日200枚も消費している計算なんですよね。。。
365日換算だと一日137枚です。
体感的には、あり得ない数字です。

もちろんプライベートでの消費があるので、業務換算だけでは断定できませんけれども。
代表的なのが新聞で、朝刊一部で約43g(A4の紙11枚分に相当)
休刊日があるので、ざっくり年間360日で計算すると15.48kgになります。
A4の紙3870枚分に相当しますね。
ただまあ、家族の人数で割り算すると減ると思いますが・・・

それ以外だと、書籍になりますか・・・
私は読書家の部類なので、他の人より多くの紙を消費していることになりますが・・・
そんな私でも一日一冊も購入することは無いです。

あと、考えられるのが、トイレットペーパーやティッシュペーパー、通販等で購入する時に使われる段ボール紙や緩衝材としての紙ぐらいでしょうか。

そう考えると、年賀状1枚3.1g
日本全体で年賀状と暑中見舞いを合わせても22億枚程度ですから、一人平均20枚程度として、A4の紙16枚程度。
一日の消費量の12%程度なので、著しい削減とまでは言えないかな・・・
年賀と暑中見舞い、年間で0.4%程度の削減効果に過ぎません。
日本全体で考えれば大きいのは確かなのですが・・・

その代償として日本全国に張り巡らされている郵便網の維持管理に少なからぬダメージを与えることになります。
郵便局は売上3.6兆円 年賀状20億枚x63円=1260億円 暑中見舞いは2億枚x63円=126億円なので、全廃となると4%の売上減になります。
これを大きいとみるか、小さいとみるか、なかなか微妙なラインです。
都心部であれば特に気にしたことが無いと思いますが、田舎の郵便網は生活に欠かせない重要インフラの一つです。
通販サイトからの購入についても民間業者では配達できないところを郵便局が配達することでカバーしていたりします。
年2回程度とはいえ、全国津々浦々にまで郵便物が届くというのは、インフラの維持という観点から見れば、有益な気がしています。

CO2削減に目を向けるのは良いのですが、本当にそれでいいのだろうか?
それしか考えないのは不十分なのではないか?

そんな疑問を抱いたことから、ペーパーレス化(派生して森林破壊も含む)と経済や環境負荷等の副次効果にも目を向けて、考えてみたいな、と思いました。
不定期で数回程度、このテーマについて、自分なりの素朴な疑問について考察していきたいと思います。

ここの数字が間違ってるよとか、こういうカラクリがありますよ、というコメントを頂けると嬉しいです。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。