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パワハラ

 パワハラ社長のニュース。

動画を観る限りでは、当たりが強い社長さんだなあと思いました。
机を叩いている辺り、威圧的でもありますね。

ただ・・・

基本的には、ミスを繰り返しているから叱られているわけで・・・
しかも、そのミスが何も考えない、何も改善しないという理由に起因しているわけなんですよね。。。

少なくとも、叱られるのは妥当かな・・・と思いました。

要は、叱り方が問題、ということになりそうです。
録音のように怒鳴り散らすとパワハラ認定されやすいでしょうね。

ただまあ、日本の場合、社員は労働基準法で力強く保護されていますので、どうでしょうか?

社労士さんとかに話を聞くと、”守られすぎ”という感想を持っている人が多いですね。

こういったパワハラについては、

業務上の指導の範囲内と捉えるのか?
行き過ぎたハラスメント行為と捉えるのか?

グレーゾーンになりがちです。

私自身も、部下を怒鳴った経験はあります。

フォークリフトの操作を覚えるために練習をさせ始めた若手社員がいて、彼が壁にぶつかりそうになるのに対し、

「危ない! ストップ! ストップ!!」

と叫んだんですよね。
で、いったん停止はさせたのですが、ハンドルを右に切るように指示したのに、それを無視して、そのまま動き出そうとしたんです。
だから、

「止まれ! 指示に従え!! 止めろ~~~!! 」

と絶叫気味に怒鳴りました。
若手社員が、パワハラだ、そんなにゴチャゴチャ言われたくない、と言いましたが・・・

私は彼に諭しました。
これは命にかかわる重大なことだ。
君にとってもそうだし、周囲にいる人も命の危険にさらされていた。
もし、あのとき、強引にでも止めることをせず事故になって周囲の人たちを巻き込んでいたら、君は一生を棒に振ることになっていたんだぞ、と注意しました。
※)業務上の指揮命令に従わずに重大な事故を起こせば重過失となり、当該社員に多くの損害賠償義務が割り当てられることになります。

確かに、大声で怒鳴ったのは確かですが・・・
こういったことまでパワハラ扱いされる時代なので、正直なところ、上司になる人は何も指導が出来ない世の中になったなあと思います。

ゆとり教育等で、学校でも ”叱らない教育” が一般化しつつあります。

パワハラが問題なのは確かであり、是正されなければいけないのは確かなのです。
が、グレーな部分が多いというか、上司や経営サイドは、

使えない社員は、即刻クビにして構わない

という強権が奪われている状態です。

歴史上の偉人たちは、この強権をフルに発揮して絶大な成果を上げてきました。
織田信長は築城工事中に女性に声をかけていた工夫を一刀のもとに切捨てました。

米国では、ジョブ型雇用が定着していますし、即解雇も日常茶飯事だといいます。
つまり、米国では業務上の指導に手間暇をかけなくて良いわけです。

使えない ➡ 即解雇 ➡ パワハラする暇もない

一方、日本ではそうはなりません。

使えない ➡ 業務指導 ➡ 使えない ➡ 配置転換 ➡ 使えない ➡ パワハラで自主退職に追い込む

という図式です。
労働者保護のための法律が、パワハラを生み出すことに貢献しているんですよね。

件の訴えられたパワハラ社長さん。
もし仮に、使えない社員をポイポイ解雇できるのであれば、果たして彼は今回のようなパワハラを行なう社長になっていたのだろうか?

その辺りに疑問を抱きました。

最後に。
たとえ労働法がパワハラを誘発しやすいからといって、パワハラを正当化し、実行して良いという理由にはなりません。

業務指導との線引きの困難さと、雇用側に労使関係を切る選択肢がない法的環境について、もっと議論がなされるべきなんじゃないかな?
と思った次第です。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。