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ステレオタイプも使いよう

 多様性が喧伝される昨今。
ステレオタイプ(いわゆる固定観念)に関してネガティブなイメージが定着しているように思います。
でもね・・・
私としては、多様性をうたう人たちがステレオタイプという一つの価値観を否定してどうするの? 本末転倒じゃないの? と思っています。

ま、それは置いといて。
今回は、ステレオタイプなものの見方をもう少し評価してあげましょうというお話です。

他人の固定観念ではなく、自分が持っているステレオタイプ(固定観念)のお話です。

最近の脳科学では、人間というものは思考を持続しにくい(集中力が続かない)生き物だとする研究結果を出しています。

脳の情報処理能力は意外に大したことがないというわけですね。
ですから、マルチタスクなんてしようものなら・・・
脳は大パニックを起こしてしまいます。

こういうのを回避するために人間(脳?)が編み出したのが、ステレオタイプです。

とりあえず、こういうものはこうだろう、ああいうものはああだろう、という実にざっくりとしたカテゴライズで物事をくくってしまうんです。
そのうえで、ここが違う、あそこが違うという感じで、差のあるところを見ていく。
さらに、その差の中でどの部分が重要なのか? 目星をつけながら思考を進めていく。

人間は、このようにして脳への負担を減らしているわけです。
ですから、ステレオタイプそのものは全然OKなはずなのです。

問題となるのは、そこから先に思考が進まないことです。
どうしてそうなってしまうのか? というと、大体のことがステレオタイプの範囲内で処理可能だからです。
だから差異に目を向けるのを面倒くさがってしまうんですね。
ここが落とし穴といえるでしょうか。

ステレオタイプというのは正確性を担保するものではなく、短時間で情報を整理するためのものという特性さえ理解しておけば、手痛い失敗はしないと思うんですよね。

ということで、もっと気楽に自分自身が持つステレオタイプなものの見方を活用して欲しいですね。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。