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寺社の売買

 現在の法律では違法行為ではないのですが、色々と問題があると受け止めるべき話題かなと思いました。

この事例で一番の懸念材料は、ご先祖様や祖父母等々、親族の方々の遺骨管理の問題があるということです。
普通に考えたら、ご先祖様の骨をワケの分からん業者に好きなようにあつかわれたら、気分が悪いですよね。

そもそも宗教法人は非営利組織であるべきなのですが・・・

日本では、宗教=怪しい=儲けている

という図式が成立してしまっています。

その結果、宗教から目を背けることが多くなり、大多数の家庭では、お葬式の段になってやっと自分の一族がどこの宗派に属しているのか?
調べ出す始末です。
※)というか・・・お墓参りに行けば、どこのお寺のお墓で、どこの宗派なんかは、デカデカと書いてあります。最近の人は行かないのかな???

ちなみに、私の場合、
父方が、浄土真宗本願寺派です。御本尊が阿弥陀如来様。
母方は、臨済宗天龍寺派。ご本尊は釈迦如来様。
母親の母(私にとっては祖母)が、戦争で祖父が戦死した後、再婚したので、そちら(祖母の嫁いだ家)にとって、私はよそ者なのですが・・・
何度か墓参経験があります。
そこは、臨済宗東福寺派で、ご本尊が釈迦如来様。

女房殿の実家は、浄土真宗本願寺派ですね。
墓参が本山の大谷本廟になりますので。
※)大谷祖廟と間違いやすいです。

別に信心しろとは言いません。
父母祖父母、ご先祖様の眠る地、宗派ぐらいは、知っておいていいんじゃないかな? と思いますので、この機にご確認されることをお奨めします。

さて。
法律や檀家制度によって守られてきた宗教法人ですが、様々な問題が多いわりにメスが入らない聖域扱いになっています。

宗教は、人間の道徳観、倫理観を育み、悩める人の心のケアを行なうために存在するのが本筋なわけですが・・・

日本の場合、あまりにも怪しい宗教法人が乱立し、問題行動を起こしてしまったため、もはや宗教という言葉そのものが悪徳というイメージを身にまとうまでになってしまいました。

これって、

やぶ医者

と同じパターンなんですよね。

やぶ医者は、腕が悪い・悪質な医者という意味で定着してしまいましたが、

本来は、

やぶ医者=名医

だったのです。

江戸時代、但馬の国の養父(やぶ)に長島的庵という名医がいて、将軍綱吉のお抱えになるほどでした。
人々は、尊敬の念をこめて、養父の里の医者、略して養父医者と呼んだのです。

この名声にあやかり、養父出身の医者という触れ込みで各地で医療行為を行なうものが現れました。
江戸時代に医師免許はなく、勝手に医者と名乗れば医者という職業に慣れたからです。
その結果、各地で養父医者が問題となり、腕の悪い医者を ”やぶ医者” と呼ぶようになりました。

長島的庵は、草葉の陰で泣いているでしょうね・・・

さて。宗教も同じで、変な悪目立ちをする問題児が多数出てきたことから、人々の信頼を失い、いまや、宗教といえば、カルト集団や犯罪予備軍なみの目で見られるようになっています。

本当にそれでいいのか?

と疑問に思いますが、一度ついたイメージはなかなか拭えないでしょうね。
また、明治時代以降、廃仏毀釈で神道復興、寺院排斥となりましたので、檀家制度そのものも少なからずダメージを受けました。

檀家制度が機能しなくなると、お布施の無い宗教法人ほど、維持管理が困難になっていきます。
その結果、ご先祖様のお墓を失うという方向になっていきますね。
まあ、無宗教であれば、合葬墓で十分となるわけですが・・・

この辺りも含め、日本人は宗教とどう向き合うのか?
国民的議論が呼び掛けられる時期に来ていると思いました。

ただ・・・
現状の与党では、宗教法人へのメス入れを拒否するでしょうから、改革は進まないと思います。
安倍元首相暗殺事件でも宗教法人へのメス入れで様々な抵抗がありましたし・・・

普通に、真っ当に、宗教としての在り方が成立していれば、メス入れなんて痛くもかゆくもないんですけどね。

世の中色々とあるのでしょうなあ・・・

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。