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チップ文化

 米国のチップ文化が揺らいでいるそうです。

私は海外旅行の経験が少なくて・・・
(米国もシカゴに行ったぐらいで、他は訪れたことがないです。)

海外に出かけるときにハードルと感じるのは、現地の言葉・習慣になりますね。
言葉については、最近ではスマホでも翻訳可能になっていますので、繊細な内容でない限りは困ることが無くなりつつあります。
その一方、習慣については・・・
やはり、その国の文化や歴史を知っておかないと難しいです。
特に庶民の文化については教科書的に書籍で把握できないことが多く、現地に滞在する日本人に教えてもらわないといけないことが多々あります。
(日本人だと日本のことを熟知しているので日本人が注意すべきことを良くご存知だからです。)

そうはいうものの・・・
チップに関しては今も昔も困惑させられる習慣だと感じています。
相場があるようでない、実にいい加減なものだからです。

現状、15%~25%ぐらい
とされています。

本来、「チップ」というのは日本でいう「心付け」と同じようなものでした。
いわゆる「追加サービス」への対価、もしくは、期待というものになります。
ですから消費者は、お店が提供する標準サービスだけを受け取りたければ、「チップ(心付け)」を支払わなくても良かったのです。

これが、米国では南北戦争後の奴隷解放後にいびつな形に変化させられました。
奴隷を安くこき使いたい雇用者が、チップの概念をゆがめたのです。
その代表格とされるのが、ジョージ・プルマンです。
寝台列車の製造と運用をするプルマン社の創始者です。

彼は黒人労働者を大量に雇用し、安月給で寝台列車の荷物運びとして働かせました。
給金はとても生活できないレベルのもので、いまでいう最低賃金以下のものでした。
そして、英国貴族がチップを支払うという習慣があったことを利用し、給料の補填を乗客にさせることを思いついたのです。
プルマンの策は当たりました。
寝台列車に乗る客は比較的お金持ちです。
彼らが気前よくチップを支払ったことから、この習慣は全米に広まり、今日に至っているのです。

ただまあ・・・プルマン自身は強欲で悪徳な商人として忌み嫌われることになりました。
なのに、チップ文化だけはしっかり根付いてしまったんですよね。

さて、現代の米国でも最低賃金法があるらしいのですが、

米国のレストランでは、チップを受け取る従業員の給料は最低賃金のルールの例外とされ、連邦法では最低時給2・13ドル(約330円)と極端に低く設定されている。その分、チップで稼ぐことが前提になっており、「チップが増えないと、インフレで従業員の生活が苦しくなる」というのが店側の言い分だ。

上記の記事より

レストランは規制の対象外になっているそうです。
時給330円って・・・
そりゃあチップが無ければ生活できませんわ・・・
ここまで安い賃金なのに、どうして米国のレストランの食事代はお高いのでしょうねえ???

単純な話、最低賃金法の適用除外職種の消滅、これ一択でしょう。
こういう不完全なところは米国らしさなのかもしれませんね。

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。