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名目GDP600兆円

 ここ最近、名目GDPが600兆円を超えたー
景気回復だーという感じになっていますね。

日本経済に明るい兆しが見えてきたーという声がある一方で、
以下のような記事もあります。

個人消費の増加分の半分が自動車の購入増加によるものということですが、これは1~3月期に販売できなかった反動

上記記事より

ダイハツ不正問題に絡む自動車の出荷遅れが原因で個人消費が伸びた
というのが実状のようです。

私としては、以下が気になりました。

上記記事中のGDP推移グラフ

名目GDPと実質GDPの差がかなり大きくなっているんですね。

単純に言えば、
名目GDPとは 取引金額の総合計 みたいなもの
実質GDPとは 取引された物量の総合計 みたいなもの
と受け止めてもらうと分かりやすいかと思います。

要は、今回の名目GDP600兆円の件は、
ポテチが 1袋 100円から 150円に値上げされました
という風に値上げがキーワードになっているわけですね。

1袋100円の時代には、1万袋売れたら100万円の名目GDPになります。
ここで、名目GDPが20%成長したという数値設定をします。
すると、150円だと8000袋売れることが必要になります。
金額ベース(名目)だと20%ものGDP拡大ですから・・・
どうですか? 景気回復してるでしょ!?
というお話になっているわけです。
でも実態は、1万袋から8000袋へ20%も売れなくなっている。
製造している側から見ると、20%もダウンなわけですね。
消費者にとっても、支払う金額は増えているのに、
以前よりも購入を手控え耐えている状態になるわけです。

単純ですが、大手製造業が過去最高益だーと意気軒高なのは
販売数が減っても値上げで収益が増えているから。

一方の下請け製造業が不景気だーとなっているのは
単価を上げてもらえないのに生産数量が減っているから。

こういうごくシンプルな構造なのですが、
マスメディアは分かりやすく国民に説明してくれませんね。

政府は価格転嫁推進をしていますが、市場原理がそれを許さないでしょう。
消費者サイドもこれ以上の値上げはきついです。

だから、政府がやることは一つです。
大企業には大増税を行ない、一般消費者には大減税を行なう。
過去最高益の大企業から税金をしっかりと取る。
これが政府の特権を駆使した、本来行うべき仕事です。

法人税が高いと企業が逃げる?
いえいえ、企業が逃げるのは ”国民に購買力が無い国” です。
お客さんがワンサカいて、しっかりと消費してくれるのなら、
企業はドンドンと群がってきます。

単純に考えてください。
なぜ、家賃の高い渋谷や銀座の一等地に出店したがる企業が後を絶たないのでしょうか?
なぜ、家賃の安い田舎に出店しようとしないのでしょうか?
すべては、お客さんの有無なんです。

企業を海外に流出させるかさせないかは、

日本人の購買力を上げるか下げるか?

そこにかかっているのですから、そうすべきなのです。
でも日本政府は逆をやっています。
国民の購買力を下げ続けているから、失われた30年が40年になり
デフレから抜け出せないのです。
※)世界的なコストプッシュ・インフレと円安が終われば日本はデフレに戻ります。

デマンドプル・インフレを引き起こすには、
旺盛な購買力が必須なのです。
人口減社会を人口増社会に反転させるには、
国民の可処分所得が増えないと始まらないのです。
官製談合で賃上げしても、森林環境税とか社会保険料UPとか消費増税で
国民からバンバン可処分所得を奪ってきたわけですから
国が良くなるわけがないのです。

まずは、国民の可処分所得を増やす。
財源は儲けている大企業から取る。
どこにも問題は無く合理的な選択です。

次回の衆議院選挙では、国民の可処分所得を増やす政策を第一の公約に掲げる政党を応援したいところです。
もっとも・・・一つも出てこないかもしれませんが・・・

しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。