GDP下方修正
7-9月期のGDP速報値が下方修正されました。
実質賃金は、19カ月連続でマイナスになっています。
そんな中、日銀の植田総裁の発言を受け、円高基調になっています。
どう受け止めたらいいんだろう?
イスラエルとハマスの戦争により、スエズ運河周辺を航行するのが困難になっています。
そのため、さらに物価が上昇する懸念が高まっています。
その一方。今回の円高基調は、日銀の金利政策の変化を予想してのものです。
経済指標が弱体化している中で、金利上昇に舵を切るというのは・・・
スタグフレーションへのスイッチを押すようなものです。
1970年代から80年代にかけて、米国が陥ったのと同じ構図です。
その時も、FRBは、物価上昇を鎮めるため、金利を上げ続けました。
その結果、未曽有の不況に陥り、日本に経済力で追い詰められる事態になっています。
トランプ大統領が中国に対して行なった強烈な関税障壁と同様、当時の米国も日米経済摩擦を引き起こしました。
結局、米国を救ったのは、レーガノミクスでした。
大規模減税により投資や消費を喚起
規制緩和により参入障壁を削減
財政出動による景気刺激策を実施
ドル高による物価高抑制政策
となっています。
その中で、ドル高だけは、プラザ合意によって早期に修正されています。
日本の場合、
大規模増税により投資や消費を圧迫
規制は特に緩和せず
財政支出を減らし景気へのテコ入れはしない
金融緩和により円安での物価高状態
となっています。
ネット世論で多いのが、金融引き締めによる円高誘導です。
これにより物価を下げるべきだ、という意見です。
でも、レーガノミクスですら、通貨高政策はマズイとして、修正が入ったんですよね。
日本では減税も規制緩和も財政出動もナシです。
ナイナイづくしの中で、金融引き締めですか・・・と驚きを禁じ得ません。
成功事例と真逆の方向に突き進む日本の政治を見ていると、
歴史家のトインビーが残した格言を思い出さざるを得ません。
国が滅びる3つの要因として、
理想を失ったとき
歴史を失ったとき
物事を数量で見るようになったとき
を挙げています。
今の日本そのままじゃないでしょうか?
しがないオッサンにサポートが頂けるとは、思ってはおりませんが、万が一、サポートして頂くようなことがあれば、研究用書籍の購入費に充当させて頂きます。